5月の消費者物価指数(CPI)の概要

総務省が6月20日に発表した5月の全国消費者物価指数(2020年=100、生鮮食品を除く総合)は111.4となり、前年同月比で3.7%上昇しました。これは市場予測の中央値(+3.6%)を上回り、4月(+3.5%)から0.2ポイント拡大。6か月連続で3%台の高い水準が続いており、2023年1月以来、2年4か月ぶりの大きな伸びとなりました。
食料品価格の高騰が物価全体を押し上げ
食品分野では、特に「米類」の上昇が顕著で、前年同月の2倍超となる+101.7%(過去最大)を記録。生鮮食品を除く食料全体でも+7.7%(前月7.0%)とさらに拡大しました。おにぎり(+19.2%)、寿司(+6.3%)など、外食・調理食品にも波及しており、コーヒー豆(+28.2%)、チョコレート(+27.1%)といった嗜好品の値上がりも物価上昇に一役買っています。
エネルギー価格の動向
エネルギー関連は前年同月比+8.1%で、4月(+9.3%)から伸び率が鈍化。電気料金は+11.3%(前月13.5%)、都市ガス料金は+6.3%と、ともに前月比で上昇幅が縮小しました。再生可能エネルギー賦課金の昨年5月引き上げ分の反動などが背景にあります。
長期金利の上昇と市場の反応

同日午前の国内債券市場では、新発10年物国債利回りが一時前日比0.010ポイント高い1.420%をつけました。消費者物価の想定以上の伸びを受け、「日銀の早期利上げ観測」が強まり、債券売り→利回り上昇の動きが加速しています。根強いインフレ圧力が長期金利を押し上げる格好となりました。
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【外部関連リンク】
- 日本銀行(BOJ)公式サイト ─ 国内金利や政策決定の確認に。
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