2025年6月4日 東京市場動向(日経平均、TOPIX)

日経平均株価

4日の東京株式市場では、日経平均株価が前日比300円64銭(0.80%)高の3万7,747円45銭で取引を終え、4営業日ぶりに反発しました。25日の安値(3万6,900円台)から徐々に下げ渋りを見せた後、3営業日で約1,000円ほど下落していたことで、自律反発狙いの買いが入ったことがまず押し上げ要因となりました。特に、前日の米国市場で半導体株が大幅高となった流れを受け、東京市場でも半導体関連を中心にハイテク株に買いが波及。とりわけエヌビディア株に対する高い買い推奨レポートが投資家心理を後押ししたため、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2.7%高となった影響も大きく、日経平均は一時400円超の上昇を記録しました。また一時、為替市場で1ドル=144円台前半まで円安・ドル高が進行したことで、精密機器や電子機器といった輸出関連株にも買いが優勢となり、上げ幅を拡大しています。

ただし、3万7,832円付近に位置する200日移動平均線を前に目先の利益確定売りも散発的に出ており、上値には一定の重さが見られた点も特徴的でした。米中関税問題の先行き不透明感が背景にあるため、投資家が積極的に上値を追うフェーズには至っておらず、買い一巡後は上昇ペースが鈍化しました。チャート上では、5月末にかけて3万8,400円台まで上昇した後、小幅に調整していた局面(6月3日・6月4日)での押し目買いによる反発となり、直近安値(6月2日の3万7,300円台)から着実に切り返しに成功しています。

TOPIX

同日、東証株価指数(TOPIX)は前日比14.02ポイント(0.51%)高の2,785.13で引け、こちらも4営業日ぶりに反発しました。日経平均と足並みをそろえる形で、プライム市場全体に買いが広がったことが寄与しています。特に、株価上昇幅が大きかった半導体関連を中心に、電気機器、精密機械、機械といった製造業セクターや輸出関連セクターが物色され、東証プライム全体の値上がり銘柄数は1,018銘柄に上りました。一方で、豊田織機やスズキなど一部輸出以外の大型株が利益確定売りに押されるなど、セクター間で強弱が見られたものの、指数としては底堅い反発となりました。

チャートをみると、5月22日に付けた日中安値(2,710ポイント台)から徐々に切り返し、5月28日~29日の高値(2,810~2,820ポイント台)を試しにいった後、小幅調整を経て6月4日に再び2,780ポイント台後半まで押し戻しています。これは、米雇用指標の結果を受けたドル買い・円売りを背景に、輸出寄与度の高い銘柄群への買い戻しが進んだことが要因です。日銀の国債買いオペによる長期金利上昇(10年物利回りが1.50%台へ上昇)を懸念する向きもありましたが、株式市場は全体として米国半導体株高や円安局面を好感しており、TOPIXの上値追いにつながりました。

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この記事を書いた人

CFP®/1級ファイナンシャルプランニング技能士
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・プライマリー・プライベートバンカー
・資産形成コンサルタント
一般社団法人金融財政事情研究会認定
・NISA取引アドバイザー