2025年6月13日、任期満了に伴う東京都議会議員選挙が告示された。今回の選挙では、127議席(42選挙区)に対して約300人が立候補を予定しており、現在の定数となった1997年以降で最多となる見通し。投開票は6月22日に実施される。
この選挙は、12年に一度の参議院選挙と同年に行われるため、国政の行方を占う「前哨戦」としても注目されており、各党は国政選挙並みの態勢で臨んでいる。
自民・都民ファによる第1党争いと小池支持勢力の過半数が焦点
今回の都議選では、現有議席最多の自民党と、東京都知事・小池百合子氏が特別顧問を務める「都民ファーストの会」との第1党争いが注目されている。また、小池知事を支持する勢力が議会の過半数を維持できるかも重要な争点となっている。
経済政策が争点 各党が「家計支援」訴え
物価上昇が続くなか、家計支援や住宅費対策をめぐる経済政策が選挙戦の中心テーマとなっている。
- 自民党:子育て世帯に月2万円の家賃支援や、住宅購入者に対する100万円分の「東京アプリ」ポイント付与。中小企業の賃上げ支援も。
- 都民ファーストの会:子育て支援の拡充、単身高齢者向けの配食見守りサービス、介護職に時給1500円を保障する制度創設を訴える。
- 公明党:教材費や修学旅行費の無償化。
- 共産党:すべての都民に1万円の生活支援金を給付。
- 立憲民主党:新たな家賃補助制度の創設を公約に掲げる。
- 国民民主党:都民の「手取り増」を中心に据えた政策を展開。
注目集まる「再生の道」 石丸氏の動向に関心高まる

2024年の都知事選で次点となった石丸伸二氏が立ち上げた地域政党「再生の道」も注目を集めている。同党は従来の政党とは一線を画し、「政策をあえて掲げない」姿勢を打ち出している点が特徴。代わりに、都議としての任期を2期8年に限定することを公約に掲げ、政治の透明性や刷新性を強調している。
無党派層や若年層を中心に支持が広がる可能性があり、既存政党に対する対抗軸としての存在感が問われている。
豊富な財政を背景に支出型政策が並ぶ
東京都は全国で唯一、地方交付税を受けていない自治体であり、2025年度の都税収入は6.9兆円(前年比8.5%増)と潤沢な見通し。このため、各党の公約には助成金や補助金などの支出型政策が目立つ。
一方で、政策の優先順位や財源の使い道をめぐる議論が深まりにくく、実効性や持続可能性をどう確保するかも今後の課題となる。
SNS選挙と投票率回復への期待
選挙戦の展開においては、SNSの活用も不可欠な要素となっている。特に、X(旧Twitter)や動画投稿による情報発信が有権者の関心を引きつけ、行動にも影響を与えるようになってきた。こうした「SNS選挙」は、昨年の都知事選で大きな注目を集めており、今回の都議選でも一層広がるとみられる。
投票率の回復も焦点の一つ。前回2021年の都議選はコロナ禍の影響もあり、投票率は42.4%と過去最低水準に落ち込んだ。今回は政策論争の活発化や新たな政治勢力の登場により、どこまで有権者の関心を引き戻せるかが問われる。
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【外部関連リンク】
- 日本銀行(BOJ)公式サイト ─ 国内金利や政策決定の確認に。
- 米連邦準備制度理事会(FRB)公式サイト ─ FOMCや声明内容はこちら。
- Bloomberg(ブルームバーグ日本版) ─ 世界の金融・経済ニュースを網羅。
- Reuters(ロイター日本語版) ─ 最新のマーケット速報と経済記事。
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