4月の経常収支が過去最大の黒字を記録

2025年4月の日本の経常収支は、2兆2580億円の黒字となり、4月としては1985年以降で過去最大となりました。これは3か月連続で黒字を維持していることを示しており、日本経済が海外との取引で安定した稼ぎを確保していることを反映しています。
貿易収支の赤字幅が大幅に縮小

経常収支黒字拡大の主因は、貿易収支の赤字幅が前年同月の6615億円から328億円へと大幅に縮小した点にあります。特に、原油や石炭などエネルギー価格の大幅な下落と円高傾向が輸入額の減少を促し、輸入総額は前年同月比で2.9%減少しました。一方、輸出は半導体や電子部品、食料品、医薬品の堅調な伸びにより4.0%増加し、貿易赤字縮小を支えました。
第一次所得収支は黒字だが黒字幅は縮小傾向
海外投資からの利子や配当を示す第一次所得収支は、3兆5899億円の黒字を維持しましたが、前年同月の3兆9701億円に比べて9.6%縮小しました。海外の子会社からの配当収入や債券利子収入は依然として日本企業の収益を支えていますが、収益幅の縮小が経常収支全体の伸びをやや抑える形となりました。
サービス収支の赤字拡大と旅行収支の好調
サービス収支は7681億円の赤字で、前年同月比で赤字幅が4.8%拡大しました。特に知的財産権等使用料の収入が減少したことが影響しています。一方、旅行収支は訪日外国人の消費増加を背景に、4月としては過去最大の黒字を記録し、6757億円に達しました。インバウンド需要の強さが旅行収支の黒字拡大に寄与しています。
まとめ:エネルギー価格低下と輸出の堅調が黒字拡大のカギ
4月の経常収支黒字は、エネルギー価格の下落と円高による輸入減少、半導体など電子部品を中心とした輸出増加が主な要因です。これにより貿易収支の赤字幅が大幅に縮小し、経常収支の黒字額が過去最大を更新しました。今後も海外経済情勢や為替動向、エネルギー価格の変動が経常収支に大きな影響を与えることが予想されます。
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