公的年金だけに頼れない時代が来ている
かつては「会社に勤めていれば、定年後は退職金と年金でなんとかなる」という時代が確かにありました。しかし、いまや状況は一変しています。平均寿命が延び、「人生100年時代」と呼ばれる時代が現実になりつつあります。その結果、定年後の生活が30年以上に及ぶことも珍しくなくなりました。
一方で、現役世代の人口減少により公的年金制度の持続性には限界があり、国の制度だけで将来の生活費をまかなうのは難しいという現実が見えてきました。
「老後2000万円問題」は他人事ではない
2019年に金融庁が報告書で示した「老後資金が2000万円不足する」という試算は大きな話題を呼びました。当時は驚きと共に批判も集まりましたが、時間が経った今でも本質的な問題は変わっていません。むしろ、インフレや物価上昇の影響を考えると、その金額は今後さらに大きくなる可能性さえあります。
大切なのは、「誰かがなんとかしてくれるだろう」という意識を改め、自分自身で将来の生活に向けた備えを始めることです。
働き方の多様化と制度のミスマッチ
近年では副業やフリーランス、非正規雇用など働き方が多様化し、従来の”会社員前提”で組まれていた年金制度とのギャップが広がってきています。そのような中で、個人が自ら将来に備える手段として注目されているのが「iDeCo(個人型確定拠出年金)」です。
iDeCoは、掛金を自分で積み立てて、自分で運用し、老後に受け取るという仕組み。言い換えれば、「自分で自分の年金をつくる制度」です。
2025年の改正でiDeCoはどう変わる?
こうした社会環境の変化を受け、iDeCoの制度自体も2025年から大きく見直される予定です。加入年齢の引き上げや掛金限度額の拡大など、制度をより多くの人が活用しやすくなる方向へと改革が進んでいます。
このシリーズでは、改正後のiDeCoを活かして老後資金の備えをどうすればよいのか、制度の特徴とともにわかりやすくお伝えしていきます。
次回(第2回)は、iDeCoの仕組みとメリットについて、基本から丁寧に解説します。
