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アメリカ・FRB政策金利(FOMC)とは

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アメリカのFRB政策金利とは、米連邦準備制度理事会(FRB)が設定する「フェデラルファンド(FF)金利」の誘導目標レンジを指します。これは、米国の中央銀行であるFRBが金融政策を実施する際の中核的な金利であり、金融市場や経済全体に大きな影響を与える指標です。政策金利の決定は、年に8回開催される「FOMC(連邦公開市場委員会)」で行われるため、しばしば「FOMC金利」や「FOMC利上げ・利下げ」と呼ばれることもあります。

この金利は、銀行間で超短期の資金を融通する際の基準となるもので、実際の市場金利やローン金利、為替レート、株価など多くの金融変数に連動するため、世界的に注目される経済指標となっています。

市場における役割と注目される理由 #

FRBの政策金利は、アメリカ経済における「金利の出発点」として機能しており、企業の資金調達コストや個人の住宅ローン金利、さらにはドル相場や国債利回りにも連鎖的な影響を及ぼします。そのため、金融市場の参加者は、FRBの金利動向をつぶさに観察し、今後の景気見通しや資産価格のシナリオを描き出します。

特にインフレ率や雇用統計が強い場合には、FRBが利上げを進めるとの観測が高まり、株式市場が下落したり、ドル高が進行する傾向があります。逆に景気減速や金融不安が強まれば、利下げや政策据え置きが期待され、リスク資産に追い風となることもあります。

FOMCとその開催スケジュール #

政策金利を決定するFOMCは、FRBの理事と地区連銀の代表者から構成され、年8回の定例会合が開催されます。会合後には「声明文(Statement)」が発表され、政策金利の誘導目標レンジ(たとえば「5.25%〜5.50%」)が示されます。さらに、年4回の会合では「経済・金利見通し(ドットチャート)」やFRB議長の記者会見もあり、マーケットの注目度が一段と高まります。

日本時間では、通常木曜未明(米国時間水曜午後)の発表となるため、日本の金融市場にも翌朝から即座に影響を与えます。

他国の政策金利との比較 #

日本銀行の政策金利(無担保コール翌日物金利)や欧州中央銀行(ECB)の主要リファイナンス金利と並び、FRBの政策金利は世界三大中銀金利のひとつです。中でもFRBは、世界の準備通貨である米ドルの発行主体であるため、その金融政策の方向性は新興国通貨の動向や国際資本移動にも大きく関係します。

たとえば、FRBが急ピッチで利上げを行えば、新興国から資金が引き上げられ、通貨安や債務不安が起きやすくなります。逆に利下げ局面ではリスク選好が進みやすくなるため、世界中の金融市場にとって「方向性を決定する灯台」ともいえる存在です。

読み解き方と注意点 #

政策金利の水準そのものだけでなく、「利上げ・利下げのペース」や「今後の見通し(forward guidance)」も極めて重要です。FOMC声明の文言変更や、FRB議長の発言のニュアンスの違いに対し、投資家が敏感に反応することも珍しくありません。

また、実際のFF金利の誘導レンジと、市場実勢金利(フェデラルファンド実効金利)が乖離する場合は、金融システム内の需給ひっ迫や信用不安の兆しとして捉えられることもあります。

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