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カナダ・国際商品貿易(International Merchandise Trade)

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カナダ・国際商品貿易とは、カナダ政府が毎月発表する、財(モノ)の輸出入の差額を示す貿易統計である。英語では「International Merchandise Trade」と呼ばれ、カナダ統計局(Statistics Canada)が担当機関として集計・公表している。

この指標は、カナダ経済の対外依存度や世界経済との結びつきを示すバロメーターとして、金融市場や政策判断の場面でも注目されている。

カナダ経済と貿易の密接な関係 #

カナダは資源大国であり、原油、天然ガス、木材、鉱物、農産品などの一次産品輸出が経済を支える大きな柱となっている。中でもアメリカとの貿易関係は圧倒的に大きく、輸出の約7〜8割が米国向けである。

そのため、カナダの貿易統計は単なる輸出入の記録にとどまらず、原油価格や米国経済の動向、さらには為替相場(カナダドル)への影響を読み解く材料として重視される。

毎月発表される2つのキーデータ #

カナダ・国際商品貿易では、以下の2つの指標が主要データとなる。

  • 輸出額(Exports):月間でカナダから出荷された財の総額
  • 輸入額(Imports):同期間にカナダが海外から受け入れた財の総額

この差額がプラスであれば貿易黒字、マイナスであれば赤字とされ、「貿易収支(Trade Balance)」として示される。なお、カナダはエネルギーや鉱物の輸出が好調なときに黒字を計上する傾向があり、資源市況がそのまま貿易統計に反映されやすい。

数値の変動と市場への影響 #

貿易収支の改善(黒字幅の拡大)は、外貨獲得の増加や実需に裏打ちされたカナダドルの上昇要因とされることがある。特にエネルギー輸出が増加した月や、為替の影響で輸入が減少した月にはポジティブな評価を受けやすい。

一方、赤字が拡大した場合には、国内需要の強さや輸入インフレを示す可能性もあるため、金融政策の手がかりとして注目されることもある。

実務や投資判断での活用 #

この指標は、中央銀行(カナダ銀行)の金融政策判断や、エネルギー関連株への投資判断にも関係する。とくに原油価格との連動性が高いため、WTI原油先物との動きと併せてウォッチする投資家も多い。

また、米国の貿易政策変更や為替動向が直ちに反映されやすいため、北米経済の相関性を読み解く上での重要な手がかりにもなる。

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