【米経済指標】労働・製造・サービスに減速の兆し──4月の新規失業保険申請・ISM・PMI(製造業)確報値


📅 2025年5月1日発表分のアメリカ経済指標まとめ
本記事では、以下の3つの主要経済指標についてデータと市場の評価を整理します。

  • 🧾 新規失業保険申請件数(4月13日週)
  • 🧾 ISM製造業景気指数(2025年4月)
  • 🧾 PMI(製造業)(2025年4月確報値)

目次

指標結果の概要と前回値との比較

2025年5月1日に発表されたアメリカの主要経済指標は、労働市場から製造業・サービス業に至るまで、景気減速の兆候が表れた。
市場予想との比較では、新規失業保険申請件数が大幅に増加し、ISM指数は再び景気縮小圏に転落。S&P PMIは製造業こそ横ばいを維持したが、サービス業や総合指数は明確な減速を示した。


主要データと推移チャート

🧾 新規失業保険申請件数(4月13日週)

項目数値
結果24.1万人
前週21.5万人
直近高水準24.2万人(2025年2月16日週)

4月13日週の新規申請件数は前週比+2.6万人の急増。これは2か月ぶりの高水準であり、労働市場に緩みの兆しが見られる。


🧾 ISM製造業景気指数(2025年4月)

項目数値
結果48.7
前月49.9
ピーク値50.5(2025年2月)

50を下回ることで製造業は再び景気縮小圏に後退。新規受注と雇用が共に弱含み、製造業の回復モメンタムが失速。


🧾 PMI確報値(2025年4月)

指標種別結果前月判定
製造業PMI50.250.2横ばい(拡大圏)
非製造業PMI(速報値)– 5/5 発表54.4明確な鈍化
コンポジットPMI– 5/5 発表53.5明確な鈍化

製造業PMIは横ばい。需要の減速やコスト上昇が圧力となった模様。


指標解説

新規失業保険申請件数とは?
米労働省が毎週発表する先行的な雇用関連指標。景気悪化時には増加傾向となり、FRBの政策判断にも影響。

ISM製造業景気指数とは?
ISM(供給管理協会)が製造業購買担当者に調査し算出。50が景況感の分岐点で、FRBや投資家の注目度が高い。

PMIとは?
世界共通の景況感指標。速報性に優れ、製造・サービス・総合の3指標で経済の広範な動向を反映する。


市場の反応と今後の見通し

今回発表された指標群は、米景気の「鈍化シグナル」が複数領域で点灯した印象を与えた。
失業保険申請件数の急増は労働市場の緩みを示唆し、ISM・PMIともに回復の息切れが明らか。

これらの結果を受けて、市場では「FRBによる利下げ時期の再検討」への思惑が広がっており、今後の注目はCPI(消費者物価指数)や雇用統計へと移る。

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この記事を書いた人

CFP®/1級ファイナンシャルプランニング技能士
公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定
・プライマリー・プライベートバンカー
・資産形成コンサルタント
一般社団法人金融財政事情研究会認定
・NISA取引アドバイザー

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