Appleが発表した2025年第1四半期(1〜3月期)決算は、売上高1,243億ドル(前年同期比+4%)、1株当たり利益2.40ドルと、市場予想を上回る堅調な内容でした。Mac・iPad・サービス部門が成長をけん引し、特にサービス部門は14%増の263億ドルと過去最高を記録しました。
一方で、iPhoneの売上は前年同期比1%減の691億ドルにとどまり、中国市場では11.1%の減収となり、地域別に明暗が分かれた決算となりました。
iPhone販売が苦戦、中国市場で11.1%減
中国での売上減少の主因は、現地ブランド(Huaweiなど)との競争激化に加え、「Apple Intelligence(AI機能)」の未展開が挙げられます。このAI機能は現在、英語圏を中心とした一部地域でのみ提供されており、中国市場では規制等の事情により展開が遅れています。
Tim Cook CEOは「AI機能が展開されている地域では販売が好調だが、そうでない地域では厳しい」と明かしており、今後のグローバル展開が業績回復の鍵となります。
インドへの生産移管と関税リスク
Appleは製品の大半を中国で製造しており、米中貿易摩擦に伴う関税リスクが依然として経営課題です。このリスク分散の一環として、iPhone生産の一部をインドへ移管する方針を打ち出していますが、生産コストやマージンへの影響も懸念されています。
好調なサービス部門と堅調なMac・iPad
サービス部門は前年同期比14%増の263億ドルで、売上構成の中でも特に利益率の高い柱として存在感を高めています。Macは15%増、iPadも好調で、ハードウェア全体としても安定感を維持しています。
株価は時間外で約2.7%下落 市場は先行きを注視
決算内容はおおむね良好でしたが、中国市場の不透明感やAI戦略の遅れなどが嫌気され、時間外取引で株価は2.7%下落。市場では、Apple Intelligenceの早期グローバル展開や、新興市場(特にインド)での成長戦略が次なる焦点と見られています。
まとめ:Appleの今後の成長を握る「AIと中国」
Appleは堅調な決算を発表しながらも、中国市場の壁とAI戦略の立ち遅れが株価を押し下げました。成長ドライバーであるAI機能のグローバル展開や、関税回避のインドシフトが進む中、次の四半期は「AI×地政学リスク」の成否が問われる局面となりそうです。
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