目次
指標結果の概要と前回値との比較
中国国家統計局が発表した2025年4月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は、49.0となり、市場予想(49.8)を下回った。
前回(3月)は50.5で、節目となる50を割り込んだことで、景気減速懸念が強まっている。
PMIは、50を基準に上回れば景気拡大、下回れば縮小を示す先行指標であり、中国および世界経済の方向性を測るうえで注目される。
主要データと推移チャート
項目 | 数値 |
---|---|
予想 | 49.8 |
結果 | 49.0 |
前回 | 50.5 |
前回改定値 | — |
📈 製造業PMIの推移(2023年12月〜2025年4月)
指標解説
製造業PMIとは?
中国国家統計局および中国物流購買連合会が毎月発表する、製造業の景況感を測る経済指標。購買担当者へのアンケートを基に、新規受注・生産・雇用・在庫など複数項目を総合してスコア化される。
注目ポイント
- PMIが50超 → 製造業活動の拡大傾向
- PMIが50未満 → 製造業の縮小傾向
- 指数が下落 → 国内外の需要減速や景気鈍化を示唆
市場の反応と今後の見通し
今回の製造業PMIは、23年末以来の低水準となり、市場の不安心理を刺激した。
アジア時間の米株価指数先物はそろって下落、リスク回避姿勢が広がった:
- ダウ平均先物:40577.00(-81.00, -0.20%)
- S&P500先物:5557.00(-26.75, -0.48%)
- ナスダック100先物:19508.25(-133.75, -0.68%)
ただし、その後10:45に発表された財新製造業PMI(民間調査)が50.4(予想49.7)と一定の底堅さを示したことから、リスク回避の流れはやや後退。ドル円は一時円高方向に振れた後、反発する展開となった。
🕒 ドル円の15分足チャート(2025年4月30日 アジア時間)
今後は、5月発表の財新サービス業PMIや、米国のISM製造業指数との比較も意識される展開となりそうだ。中国当局による景気刺激策への期待感も、短期的な市場の方向性を左右しうる。