🌅 おはようございます ☀️ 本日の注目ポイント(4月15日 火)
米中関税戦争が次の局面に入りつつあります。
トランプ政権がスマートフォンやパソコンを関税の対象から除外する一方で、半導体関連製品に対しては新たな課税強化の方針が浮上しています。
これは、アメリカ国内の消費者保護と物価抑制を図る一方で、ハイテク分野における中国依存脱却を狙った“選別的な圧力”とも言える動きです。
この方針の対象には、日本の主力産業である半導体製造装置や電子部品も含まれる可能性があり、日本企業への波及リスクと、逆に競争優位の継続による追い風の両面から注視が必要です。
今週17日には赤澤経済再生相が訪米し、通商交渉のテーブルにつく予定であり、日本側の交渉姿勢と成果にも注目が集まります。
📰 注目の経済ニュースまとめ(4月14日分)
■ トランプ政権、半導体への新たな関税措置を来週にも発表へ
➡ 「スマホ・PCの関税除外」の一方で、半導体への関税強化が浮上。米中ハイテク摩擦の第2ラウンドとも言える動きで、日本の装置・部材メーカーにも波及の可能性。
■ 中国の対米輸出、前年比9%増──関税前の“駆け込み出荷”?
➡ 中国企業が関税発動前に輸出を前倒ししたとの見方が強まり、米中貿易戦争が実務レベルでの動きを誘発している様子が明らかに。
■ 株価、一時700円超の上昇も──売り買い交錯で上昇幅縮小
➡ 東京市場は朝方大幅高となったが、午後にかけて利益確定売りが強まり、終日を通じて不安定な展開に。関税報道に対する市場の“期待と警戒”が交錯。
■ スーパーのコメ価格、14週連続で値上がり──5キロ4214円に
➡ 家計を直撃する物価上昇が止まらず。特に食品など生活必需品の高騰が目立ち、消費マインドや政権へのプレッシャーが強まりそうな局面。
■ 経産省、地熱発電など次世代技術で官民協議会を設置へ
➡ 脱炭素社会への移行を支える国産エネルギー開発が加速。関連分野への投資拡大が期待され、長期視点での産業支援に注目が集まる。
📊 チャートで振り返る ~相場の今と昨日の動き~
🖼 日経225(日足)

- 4月14日(月)は反発続きで+396.78円(+1.18%)の上昇
- 米株高を好感し33,982.14円で引け、節目の34,000円に迫る
💬 コメント:
「関税ショックからの急落後、上昇・下落を繰り返しつつ持ち直しの動き。米国株の堅調やリスク後退が追い風となり、再び34,000円台をうかがう展開。」
💱 ドル円(USD/JPY・1時間足)
- 4月15日(火)朝6時時点の現在値は143.023円付近(前日比 -0.00%)
- 142円台後半〜143円台前半での小動きが続いている
💬 コメント:
「先週の円高進行はいったん落ち着き、週明けは様子見ムード。米金利や関税報道の影響を見極めたい投資家の静観姿勢がうかがえる。」
📉 米10年債利回り(日足・折れ線)
- 前日は**4.454%(-0.043)**と小幅低下
- 直近の上昇トレンドに一服感も見られる
💬 コメント:
「QT減速の議論もある中で、CPI上昇に伴う利下げ期待後退が引き続き上昇圧力。ただ、いったんは足踏み。」
⚠️ VIX(恐怖指数・日足・折れ線)
- 前日は**33.00(-12.12%)**と大幅続落
- 一時の50台から急速に低下し、市場の過度な警戒感は後退
💬 コメント:
「関税リスク後退や米株反発を受けて投資家心理が落ち着きを取り戻す動き。リスク回避の巻き戻しが進行。」
🗽 S&P500(1時間足)
- 前日は**5,405.96(-0.48%)**と反落
- 先週末からの反発の流れは継続も、やや上値が重く調整色も
💬 コメント:
「先週末の高値圏での推移から、週明けはやや調整入り。利益確定の売りが出やすい水準となっており、米中関係への警戒も一因か。」
🌐 主要国インデックスまとめ(前日比・2025年4月15日朝時点)
指数名 | 現在値 | 変動 | 変動率 |
---|---|---|---|
東証株価指数 | 2,488.51 | +21.60 | +0.88% |
Japan 225 インデックス | 33,982.14 | +396.78 | +1.18% |
Nikkei 225 Futures | 34,300 | +130 | +0.38% |
JPXPrime 150 Index | 1,090.28 | +8.80 | +0.81% |
S&P500指数 | 5,405.97 | +42.61 | +0.79% |
ダウ平均株価 | 40,524.79 | +312.08 | +0.78% |
ナスダック総合指数 | 16,438.41 | +107.03 | +0.65% |
DAX指数 | 18,026.32 | +580.73 | +3.33% |
FTSE100指数 | 8,154.93 | +45.36 | +0.56% |
Nifty50指数 | 22,585.55 | +429.40 | +1.94% |
SSE Composite Index | 3,262.805 | +24.5807 | +0.76% |
S&P BSE SENSEX指数 | 75,157.26 | +1,310.11 | +1.77% |
ボベスパ指数 | 129,453.91 | +1,771.51 | +1.39% |
恐怖指数(VIX) | 30.88 | -6.67 | -17.76% |
-
日経平均は396円高(+1.18%)で続伸。先週の関税ショックからの反発が続き、34,000円回復が視野に。
-
**TOPIXも+0.88%、JPX Prime150も+0.81%**と、東証全体で広範な買いが優勢。
-
**S&P500は+0.79%、ダウ+0.78%、ナスダック+0.65%**と米国株も堅調。市場心理の落ち着きが見られる。
-
ドイツDAXが+3.33%と突出した上昇。欧州株にリスクオンの流れが波及。
-
インドNifty50とBSE SENSEXも+1.9%前後の上昇で、アジア新興国も堅調に推移。
-
上海総合(+0.76%)、ボベスパ(+1.39%)も上昇し、世界的な反発ムードが広がった。
-
一方で、VIX(恐怖指数)は-17.76%と大幅低下。リスク回避ムードが大きく後退していることを示す。
💱 主要通貨の為替動向(2025年4月15日 朝時点)
通貨ペア | 現在値 | 変動 | 変動率 |
---|---|---|---|
米ドル/円 | 143.000 | -0.024 | -0.02% |
ユーロ/円 | 162.380 | +0.046 | +0.03% |
豪ドル/円 | 90.413 | -0.085 | -0.09% |
ポンド/円 | 188.568 | -0.082 | -0.04% |
スイスフラン/円 | 175.500 | -0.280 | -0.16% |
カナダドル/円 | 102.996 | -0.094 | -0.09% |
スウェーデンクローナ/円 | 14.607 | -0.077 | -0.52% |
-
ドル円は143.00円で小動き(-0.02%)
→ 一時円高が進んだものの、朝方は方向感に欠ける展開。材料待ちの様相。 -
ユーロ円は+0.03%とやや上昇
→ 欧州経済指標や金融政策への期待感が支えとなり、対円では底堅さを維持。 -
豪ドル円・カナダドル円はともにマイナス圏で推移(-0.09%)
→ 資源国通貨はやや軟調。コモディティ価格の調整やリスク警戒が影響。 -
ポンド円・スイスフラン円も小幅安(-0.04%、-0.16%)
→ 欧州通貨の一部にはやや調整売りが入り、対円では弱含み。 -
スウェーデンクローナ円は-0.52%と最も大きく下落
→ 流動性の低い通貨がリスクオフ気味の影響を相対的に大きく受けた可能性。
📅 今週の注目経済カレンダー(2025年4月16日〜19日)
✅ 重要な経済指標
日付 | 時間 | 国・地域 | 指標・イベント名 | 注目ポイント |
---|---|---|---|---|
4月16日(水) | 11:00 | 🇨🇳 中国 | GDP(1〜3月) | 今年の成長目標「5%前後」達成への進捗確認。追加刺激策の期待も。 |
4月16日(水) | 21:30 | 🇺🇸 米国 | 小売売上高(3月) | 個人消費の強弱が利下げ見通しに直結。市場注目度トップクラス。 |
4月16日(水) | 21:30 | 🇺🇸 米国 | 小売売上高(コア・前月比) | 自動車を除いた消費傾向を把握。景気の基礎力を示す。 |
4月16日(水) | 22:15 | 🇺🇸 米国 | 鉱工業生産指数(3月) | 生産活動の底堅さを確認。物価・需給の先行指標にも。 |
4月16日(水) | 22:15 | 🇺🇸 米国 | 設備稼働率(3月) | インフレ圧力や景気過熱感を測る材料。 |
4月17日(木) | 別途 | 🇪🇺 ユーロ圏 | ECB政策金利決定会合 | 下記に別途詳細 |
4月17日(木) | 08:50頃 | 🇯🇵 日本 | 貿易統計(3月) | 赤字縮小か注目。経常収支・円相場にも関わる材料。 |
4月17日(木) | 21:30 | 🇺🇸 米国 | フィラデルフィア連銀景況感指数(4月) | ISM製造業指数の先読み指標。景気見通しの手がかりに。 |
4月18日(金) | 08:30 | 🇯🇵 日本 | 消費者物価指数(CPI・3月) | 日銀の利上げ観測に影響。コア指数(3.2%予想)に注目。 |
✅【注目】 ECBの公式スケジュール(2025年4月17日)
内容 | 現地時間(CEST) | 日本時間(JST) | 備考 |
---|---|---|---|
ECB政策金利発表 | 13:45 | 20:45 | 欧州中央銀行公式発表 |
ラガルド総裁 記者会見 | 14:30 | 21:30 | 金利見通し・スタンスに関する解説 |
🇺🇸 米国の主要決算スケジュール
日付 | 企業名 | ティッカー | 発表時間(日本時間) | 業種・注目ポイント |
---|---|---|---|---|
4月15日(火) | バンク・オブ・アメリカ | BAC | 21:00頃(取引開始前) | 大手銀行、金利動向に敏感 |
シティグループ | C | 21:00頃(取引開始前) | 大手銀行、信用市場の指標 | |
ジョンソン・エンド・ジョンソン | JNJ | 21:00頃(取引開始前) | ヘルスケア、ディフェンシブ銘柄 | |
ユナイテッド航空 | UAL | 翌朝(取引終了後) | 航空業界の需要回復状況 | |
4月16日(水) | ASMLホールディングス | ASML | 21:00頃(取引開始前) | 半導体製造装置、業界の先行指標 |
アボット・ラボラトリーズ | ABT | 21:00頃(取引開始前) | 医療機器、ヘルスケアセクター | |
トラベラーズ | TRV | 21:00頃(取引開始前) | 保険業、金融セクター | |
アルコア | AA | 翌朝(取引終了後) | アルミニウム大手、素材価格の動向 | |
4月17日(木) | 台湾積体電路製造(TSMC) | TSM | 21:00頃(取引開始前) | 半導体ファウンドリ、業界の先行指標 |
アメリカン・エキスプレス | AXP | 21:00頃(取引開始前) | クレジットカード、消費動向の指標 | |
ユナイテッドヘルス・グループ | UNH | 21:00頃(取引開始前) | 医療保険、ヘルスケアセクター | |
ネットフリックス | NFLX | 翌朝(取引終了後) | ストリーミングサービス、加入者数に注目 |
🇯🇵 日本の主要決算スケジュール
日付 | 企業名 | 銘柄コード | 発表時間(日本時間) | 業種・注目ポイント |
---|---|---|---|---|
4月15日(火) | HIOKI | 6866 | 15:00(予定) | 電子計測器、製造業の設備投資動向 |
ボードルア | 4413 | 16:00(予定) | ITサービス、DX関連銘柄 | |
メタリアル | 6182 | 15:45(予定) | AI翻訳、生成AI関連銘柄 | |
4月17日(木) | ディスコ | 6146 | 15:00(予定) | 半導体製造装置、業界の先行指標 |
これらの企業の決算発表は、各業界の動向や市場全体のセンチメントに影響を与える可能性があります。特に米国の大手銀行やテクノロジー企業、日本の半導体関連企業の業績は注目されています。
🧠 今日のニュース深堀り
一時的な強さ?中国“駆け込み輸出”と日本“回復の兆し”の裏側
昨日発表された中国と日本の経済指標は、一見すると明るい兆しを示しているように見えますが、その実態は楽観視できない状況が透けて見えます。
中国・貿易収支(2025年3月) | |||
---|---|---|---|
項目 | 予想 | 結果 | 前回 |
貿易収支(人民元建て) | — | 7367億元 | 2282億元 |
貿易収支(ドル建て) | 720億ドル | 1026億ドル | 317億ドル |
🇨🇳 駆け込み輸出で膨らんだ中国の黒字
中国の3月貿易収支は、黒字額が1026億ドルと市場予想(720億ドル)を大きく上回りました。輸出は前年同月比+12.4%増と好調に見えますが、その背景には「トランプ政権の追加関税発動前の駆け込み輸出」があったとされます。
一方で輸入は-4.3%減と低調で、国内需要の鈍さが浮き彫りに。特に資本財の輸入減が続いていることからも、内需主導の回復には距離があることがうかがえます。
中国政府としては、今後の関税影響を見据えてASEANなどとの連携を強化しながら、米国依存のサプライチェーンからの脱却を模索していく構えです。
🇯🇵 日本の鉱工業生産、反発の裏に残る陰り
日本・鉱工業生産(確報値) 2025年2月 | |||
---|---|---|---|
項目 | 予想 | 結果 | 前回 |
前月比 | 2.5% | 2.3% | 2.5% |
前年比 | 0.3% | 0.1% | 0.3% |
設備稼働率・前月比 | 4.5% | -1.1% | 4.5% |
日本の2月鉱工業生産(確報値)は前月比+2.3%と4か月ぶりの上昇。とくに生産用機械や電子部品の伸びが回復を牽引しました。
しかし、設備稼働率は前月比で-1.1%と急落し、工場の稼働そのものは鈍いことが明らかに。政府も基調判断を「一進一退」に据え置き、力強い回復には慎重な姿勢を崩していません。
外需頼みの構図は依然として変わらず、半導体市況のサイクル変動や、米中通商政策の不確実性に大きく影響を受ける状況が続きそうです。
🔍 総じてみると…
中国の貿易黒字も、日本の鉱工業生産も、「数字」だけ見れば前向きに映ります。しかしその裏では、関税発動前の駆け込みや工場の稼働鈍化など、一時的・外的要因による上下動が目立っており、本質的な回復基調とは言いがたい状態です。
世界経済の不透明感は依然として根強く、市場の神経質な展開はしばらく続きそうです。
🔍 今日のひとこと見通し
数字の裏に潜む“不安定さ”が、マーケットの波をじわじわ広げています。
中国の貿易黒字や日本の生産回復といった表面的な好材料の裏側には、**一時的な駆け込み需要や稼働率の鈍化といった“足元の弱さ”**が見え隠れします。
今週は中盤にかけて、関税交渉や米国指標など“予測のつきにくい材料”が多く、市場の緊張感が続きそうです。
📣 おわりに:今週も、自分のペースで着実に
数字や相場が揺れるときこそ、私たちにできるのは、目先の動きに振り回されず、正しい情報を見極めること。
経済も投資も、“焦らず・あわてず・じっくり”がいちばんの強みです。
FPTRENDYとともに、今週も一歩ずつ前へ。
Let’s walk steady through the midweek waves. 🌊📊🌿