【概要・背景】
アメリカの動画配信大手ネットフリックスは、2025年4月〜6月期の決算を発表し、売上・利益ともに前年同期比で大幅な増加を記録しました。会員数の増加や広告モデルの拡大が奏功し、純利益は45.5%増という高成長となりました。ストリーミング業界が競争激化する中、独自戦略による収益構造の多様化が注目されています。
売上高は15.8%増の110億ドル超に
ネットフリックスの2025年4~6月期の売上高は、前年同期比で15.8%増となる110億7900万ドル(約1兆6400億円)を記録しました。これは、前年の95億6400万ドルから約15億ドル以上の増加にあたります。主な要因は以下のとおりです。
- 広告付きプランの拡大
2023年に導入された広告付きプランが、特に新興市場を中心に広がり、広告収入が堅調に推移。 - グローバルでの会員数増加
コンテンツのローカライズ(地域ごとのオリジナル番組制作)と、パスワード共有対策の強化によって、新規有料会員の増加が続いています。
純利益は約31億ドル、前年から45.5%の増加
当期純利益は31億2500万ドル(約4600億円)となり、前年の21億4800万ドルから45.5%の増益となりました。この利益成長は、コスト管理の徹底と収益源の多角化によって実現されたものと見られます。
- 制作費の効率化:AIによるコンテンツ分析や、制作拠点の集中化などが影響。
- 高収益エリアでの会員単価上昇:北米および西欧地域でのARPU(1ユーザーあたり収益)が上昇傾向。
広告モデルが業績の新たな柱に
注目されるのは、ネットフリックスが積極的に取り組んでいる「広告付きストリーミングモデル」の拡充です。従来のサブスクリプションに加え、広告主からの収益が新たな収益源として機能し始めています。
- 広告付きプランの加入者数は前年同期の約2倍に
- 広告単価も想定を上回る水準で推移
この戦略は、視聴者の多様なニーズに応える一方で、今後の安定収益源として投資家からも好評価を受けています。
今後の見通しと市場の注目点
ネットフリックスは次の四半期も「二桁成長の継続」を見込んでおり、オリジナルコンテンツへの投資をさらに拡大する方針です。一方で、以下のリスクにも注目が集まります。
- ハリウッドにおけるストライキの影響
- 他ストリーミング企業との競争激化
- 広告市場の景気変動による収益変動
投資家や市場関係者は、広告付きプランの成長持続性と、新規コンテンツのヒット状況に引き続き注目しています。
※決算データは1ドル=147.9円で換算。為替レートによって円換算額は変動する可能性があります。
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【外部関連リンク】
- 日本銀行(BOJ)公式サイト ─ 国内金利や政策決定の確認に。
- 米連邦準備制度理事会(FRB)公式サイト ─ FOMCや声明内容はこちら。
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