2009年以来の低水準に海外メディア注目──米中古住宅販売4月報告まとめ

以下、2025年5月23日に発表された4月のアメリカ・中古住宅販売件数データに対する、海外主要メディアの報道・反応をご紹介します。

目次

概要

4月の既存住宅販売件数は季節調整後年率換算で4.00 万戸(400万戸)と前月比0.5%減少し、4月としては2009年以来の低水準を記録しました Reuters。在庫件数は前年同月比20.8%増の145万戸となり、売り手市場ながら買い手への交渉力が高まっています Reuters。中央値価格は前年同月比1.8%上昇の41.4万ドルで、4月としては過去最高を更新しました Reuters。以下、各海外メディアの報道を見ていきます。

Reuters(国際通信社)

  • 「既存住宅販売件数は0.5%減の4.00 万戸に落ち込み、4月としては2009年以降の最低水準となった」と速報し、エコノミスト予想の4.10 万戸を下回った点を強調しています Reuters
  • 「10年債利回りとの連動で6.81%の平均モーゲージ金利が高止まりし、住宅購入需要を抑制した」と指摘しています Reuters
  • 「在庫は月間で9.0%、前年比で20.8%増と買い手有利な環境が進行している」と解説しています Reuters

Financial Times(英フィナンシャル・タイムズ)

  • 「春の住宅販売シーズンは高金利と貿易摩擦の懸念で失速しており、住宅ローン金利が6.76%まで上昇したことが買い控えの要因」と報じています ファイナンシャル・タイムズ
  • 「トランプ政権の追加関税が建築資材コストを1戸あたり約10,900ドル押し上げ、住宅価格高騰に拍車をかけている」と解説しています ファイナンシャル・タイムズ
  • 「一部の大手ビルダーは在庫処分のため金利割引などのインセンティブを増やしている」と伝えています ファイナンシャル・タイムズ

Bloomberg(国際金融情報企業)

  • 「4月の既存住宅販売は月間で0.5%減、在庫は2月以来の増加を続けている」と伝え、特に「南部・西部で在庫増が顕著」と分析しています Bloomberg.com
  • 「一部地域では価格下落も見られるが、東北部・中西部では依然として供給不足のため価格が高止まり」と報じています Bloomberg.com

MarketWatch(米ウォールストリートジャーナル系)

  • 「買い手が借り手市場の権限を握りつつあり、リスティング価格からの値引き・譲歩を求める動きが強まっている」と現地エージェントの声を紹介 MarketWatch
  • 「オレゴン州ビーバートンでは5万ドルの値引きオファーが出る例もあり、市場の慎重さを象徴している」と具体例を挙げています MarketWatch

Axios(シリコンバレー発のニュースサイト)

  • 「住宅ローン金利が3カ月ぶり高水準となり、4月の既存住宅販売は2009年以来の低さとなった」と速報 Axios
  • 「在庫増により買い手に選択肢が増えつつあるものの、全体としては力強さを欠く春の市場」と総括しています Axios

Wall Street Journal(米WSJの国際版記事)

  • 「既存住宅販売は4月に2カ月連続で減少、住宅価格の伸びは鈍化しているが依然として高水準」と分析 WSJ
  • 「南部・フロリダ州やテキサス州では在庫増が価格押し下げ圧力をかけている一方、北東部では供給不足で高値維持」と地域差に着目しています WSJ

AP News(米AP通信国際版)

  • 「4月の既存住宅販売は前年同月比で2%減、30年固定金利が年央で6.86%付近となり、多くの消費者が手が出しにくくなっている」と報じています AP News
  • 「平均販売期間は29日と昨年より延び、キャンセル件数も増加している」と市場スピードの鈍化も指摘しています AP News

全体として、海外の主要メディアは高止まりするモーゲージ金利、在庫増、貿易政策によるコスト上昇などを共通して指摘し、今後も買い手市場が続く可能性を報じています。これらの視点を踏まえ、読者は金利動向やインベントリ推移に注目しつつ、市場参加のタイミングを見極めることが重要です。


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この記事を書いた人

CFP®/1級ファイナンシャルプランニング技能士
公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定
・プライマリー・プライベートバンカー
・資産形成コンサルタント
一般社団法人金融財政事情研究会認定
・NISA取引アドバイザー

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