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TONA(とーな)とは

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TONA(とーな)は「Tokyo Overnight Average rate」の略称で、日本語では「東京翌日物平均金利」と呼ばれます。日本銀行が公表する、無担保の翌日物コール取引に基づいた実際の取引金利の加重平均値であり、いわゆる**リスク・フリー・レート(RFR)**として日本の金融市場における新たな金利指標の中核を担っています。

TONAは、特定の銀行の見積もりに基づくTIBOR(たいぼー)などの従来型金利と異なり、実際に行われた取引データに基づくため、客観性と透明性が高い点が特徴です。2016年に金融庁や日本銀行が主導する「金利指標改革」が本格化して以来、TONAは日本における主要な代替金利として選定され、2020年以降はデリバティブや貸出金利にも広く導入が進んでいます。

国際的にも、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の廃止を背景に、各国でRFR(リスク・フリー・レート)への移行が進められており、米国ではSOFR、欧州では€STRが導入されています。TONAは、こうした世界的な流れの中で日本において採用された代表的なRFRです。

TONAは現在、日本銀行が午前10時頃に毎営業日発表しており、決済機能や資金調達の実勢を反映する信頼性の高い指標として機関投資家からも注目されています。将来的には、企業向け融資や金融商品の金利設定において、TIBORに代わってより広く使われていくことが見込まれています。

市場の金利構造が見直されつつある今、TONAはその変化の中心に位置する存在といえるでしょう。

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