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カナダ・消費者物価指数(CPI)

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カナダ・消費者物価指数(CPI:Consumer Price Index)は、カナダ統計局(Statistics Canada)が毎月発表する物価動向を示す経済指標であり、カナダ国内のインフレ状況を測定するうえで最も基本的かつ重要なデータです。食品、住宅、交通、衣料など幅広い商品やサービスの価格変動を対象としており、カナダ国民の「生活コスト」の変化を直接的に反映します。

この指数は、前年同月比と前月比の両方で示され、前年同月比がインフレ率の代表的な尺度として広く使われています。カナダ中央銀行(カナダ銀行:Bank of Canada)は、インフレ目標を2%(1~3%のレンジ)と定めており、このCPIの動向をもとに政策金利の調整など金融政策を決定しています。

また、CPIには複数のバリエーションが存在し、たとえば「コアCPI(CPI-trim、CPI-median、CPI-commonなど)」は、エネルギーや食品といった価格変動の激しい項目を除外した、より基調的なインフレトレンドを測る指標として用いられます。これらのコア指標は、カナダ銀行が物価の持続的な上昇圧力を評価する際の重要な判断材料となっています。

CPIの発表は、金融市場において非常に注目されるイベントの一つです。特にインフレが市場予想を上回る場合には、金利引き上げの思惑からカナダドル高が進行し、株式市場にとっては逆風となる可能性があります。逆に、インフレが鈍化すれば利下げ期待が強まり、通貨安や株価の下支え要因となることもあります。

また、CPIは実質賃金や年金の調整、社会保障制度の運用などにも関係しており、政策当局のみならず、企業や消費者、投資家にとっても広く活用されています。日常生活に密接に関わる価格の動きを映し出す指標であるだけに、その信頼性と透明性は特に重視されています。

このように、カナダ・消費者物価指数(CPI)は、国内の物価と金融政策の動向を読み解く基礎データとして、経済分析や市場予測において欠かせない存在です。

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