ニュースまとめ(5月8日朝)資金フローの潮目変化:円安一服と日本企業収益の急伸

円相場、リスク選好の緩みで一服

概要

7日のニューヨーク外為市場でドル/円は4営業日ぶりに反落し、1ドル=143円75〜85銭で取引を終えた。米中閣僚級協議が10日から始まるとの期待からリスク性資産が買われ、相対的に円売り圧力が後退。FRBが利下げを急がない姿勢を示したこともドル買い要因となった。

ポイント

  • 安値:142円91銭、高値:144円00銭
  • 対ユーロも反落し、1ユーロ=162円50〜60銭
  • ユーロ/ドルは1.1295〜1.1305ドルと4営業日ぶりのユーロ安

海外投資収益、24年に30兆円台初乗せ

概要

財務省・日銀の国際収支統計によると、2024年の日本企業の直接投資収益は前年比8%増の30.4兆円となり、初めて30兆円台に達した。米国が全体の26%にあたる7.9兆円で最大シェアを占め、金融・保険業が収益拡大を牽引した。

ポイント

  • 新規投資額:33.9兆円(世界全体の約4割)
  • 純投資額:11.9兆円で国別トップ
  • 中国は2.6兆円にとどまり、投資依存の見直し検討

3月税収、15.8%増の4兆2058億円

概要

財務省発表によると、2025年3月の一般会計税収は前年同月比15.8%増の4兆2058億円。所得税1兆2877億円(17.2%増)、消費税1兆4276億円(22.9%増)が伸長し、預金金利上昇に伴う利子所得の税収増が目立った。

ポイント

  • 相続税:4751億円(15.0%増)、法人税:3686億円(11.4%増)
  • 24年度累計進捗率75.5%(前年度73.2%)

世界債務残高、324兆ドルで過去最高

概要

国際金融協会(IIF)の「グローバル債務モニター」によれば、2025年第1四半期の世界債務残高は前期比4%増の324兆ドルに達し、過去最大を更新。中国の政府債務増加が約2兆ドルの押し上げ要因となった。

ポイント

  • 家計・企業・政府・金融機関を含む総計
  • 中国の債務比率はGDP比93%、年末に100%超見込み
  • 米欧中の景気下支え政策が累積ペースを加速

日銀当座預金、5月は12.8兆円不足見込み

概要

日本銀行が公表した5月の当座預金増減要因によると、国債発行超過など財政要因で約12兆7800億円の資金不足を見込む。前年同月の24.2兆円不足から不足幅は縮小する見通し。

ポイント

  • 銀行券要因:1.93兆円の増加
  • 財政等要因:▲14.71兆円(国債等▲10.90兆円、国庫短期証券等+0.73兆円)
  • 主な不足日:1日(3.4兆円)、2日(3.1兆円)、9日(2.5兆円)

――以上、最新の為替から企業収益、税収、世界債務、中央銀行の資金需給まで、市場の大局を簡潔にお伝えしました。

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この記事を書いた人

CFP®/1級ファイナンシャルプランニング技能士
公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定
・プライマリー・プライベートバンカー
・資産形成コンサルタント
一般社団法人金融財政事情研究会認定
・NISA取引アドバイザー

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