【2026年5月19日】米金利高と中東リスクが市場の重荷に AI投資と日本のトリプル安も焦点

米金利高と中東リスクが市場の重荷に AI投資と日本のトリプル安も焦点

5月19日の朝は、米長期金利と原油価格、中東情勢をめぐる不透明感が市場の主要テーマとなっている。18日のニューヨーク市場ではダウ平均が反発した一方、ナスダックとS&P500は続落し、半導体株の弱さが重荷となった。日本市場では長期金利の上昇を背景に債券、株式、円がそろって売られるトリプル安となり、為替は1ドル158円台後半で推移している。AI投資をめぐっては、NVIDIA決算への期待が続く一方、在庫やキャッシュフロー、データセンター建設の進捗に注意が向いている。

この記事のポイント:
米長期金利と原油高、中東情勢が市場心理の重荷となっている。日本市場ではトリプル安となり、為替は1ドル158円台後半で推移。NVIDIA決算を前に、AI投資の持続性と財務面のリスクにも注目が集まっている。
米市場はまちまち

ダウ平均は反発した一方、ナスダックとS&P500は続落。半導体株の弱さが重荷となった。

日本市場はトリプル安

新発10年物国債利回りは一時2.8%に上昇し、日経平均は593円安の60,815円で取引を終えた。

AI投資の死角に注目

NVIDIA決算を前に、在庫増加、売掛金拡大、データセンター建設の遅れが注目されている。

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米国金融政策・FRB

トランプ大統領、早期利下げ要求を控える考えを示唆

アメリカのトランプ大統領は、雑誌フォーチュンとのインタビューで、FRBに対して早期の利下げを求めない考えを示唆した。イランとの戦闘が終わるまで数字を本当に評価することはできないと述べたとされ、中東情勢の混乱に伴う原油高などがインフレ懸念を強めていることを認めたものとみられている。

これまでトランプ大統領はFRBへの利下げ圧力を強め、次期議長のケビン・ウォーシュ氏に対しても利下げすべきだと主張してきた。ウォーシュ氏は22日に就任宣誓式に臨み、議長に就任する予定とされる。

米雇用とCPI上振れで利下げ期待は後退

市場では、アメリカの雇用上振れと先週発表されたCPIの上昇をきっかけに、利下げ期待が後退しているとの見方がある。CPIはガソリン価格による押し上げに加え、AI投資ブームがインフレを押し上げてきた兆候もあるとされ、金利上昇が株価の重荷になりやすい状況が続いている。

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米国市場・金利・商品

ダウ平均

49,686ドル
159ドル高

ナスダック

26,090
134ポイント安

S&P500

7,403
5ポイント安

ダウは反発、ナスダックとS&P500は続落

18日のニューヨーク株式市場では、ダウ平均が159ドル高の49,686ドルと反発した。一方、ナスダック総合指数は134ポイント安の26,090、S&P500は5ポイント安の7,403と続落した。セクター別ではエネルギーや生活必需品が上昇した一方、情報技術が下落した。

主要3指数は午前中、アメリカの長期金利や原油高が一服したことでそろって上昇する場面があった。ただ、アメリカがイランとの停戦交渉をめぐって譲歩の姿勢を見せたとの一部報道を受けた楽観論は長続きせず、原油価格が上昇に転じると投資家心理の重荷となった。

米10年債利回りは4.58%台、原油は3日続伸

米10年債利回りは4.58%台で推移し、先週末につけたおよそ1年ぶりの高い水準を維持している。ニューヨーク原油先物は3日続伸し、アメリカとイランの協議をめぐる不透明感が影響した。金先物はわずかに3日続落した。

半導体株では、ハードディスク大手シーゲート・テクノロジーの幹部が、半導体メモリ需要の急増に対して製造が追いつかない見通しを示したことを受け、同社株が7%近く下落した。半導体業界全体の生産能力への懸念につながり、マイクロン・テクノロジーも大幅安となった。

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為替・円相場

ドル円

158円台後半

今日の想定レンジ

158円から159円30銭

意識される水準

1ドル160円

ドル円は158円台後半、今日の想定レンジは158円から159円30銭

ドル円は1ドル158円台後半で推移している。朝方の水準は158円79銭から80銭、別時点では158円85銭から87銭とされ、今日の予想レンジは158円から159円30銭とされた。

ゴールデンウィーク中の日本政府によるドル売り円買い介入や、日米の連携姿勢が円安進行を抑制し、1ドル160円台への圧迫感を意識させている。一方で、中東情勢をめぐる不透明感は有事のドル買いをくすぶらせており、円高とドル高が綱引きとなる展開が想定されている。

160円は介入警戒ゾーンとの見方

円安の放置は物価高や輸入インフレを助長しかねないとの見方があり、1ドル160円は介入警戒ゾーンとして意識されている。当局は、昨年10月の高市政権誕生時や1月23日の日米レートチェック後の水準である1ドル152円台まで押し返したいのではないかとの見方もある。

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地政学・エネルギー

イラン攻撃は延期、原油高とインフレ懸念が市場を左右

トランプ大統領は、19日に予定していたイランへの攻撃について、アラブ諸国の首脳からの要請で延期することにしたと自身のSNSで明らかにした。サウジアラビアのムハンマド皇太子ら3カ国の首脳から、イランとの戦闘終結に向けて受け入れ可能な合意が成立する可能性があるとして、攻撃を見送るよう要請されたという。

一方で、不成立となった場合に備え、全面攻撃のための準備も命じたとしている。中東情勢の不透明感は原油高を通じてインフレ懸念を強め、金融政策や株式市場の見通しにも影響している。

G7財務相・中央銀行総裁会議、AI悪用対策でも一致

G7主要7カ国の財務相・中央銀行総裁会議が18日、パリで開かれた。会議では中東情勢の混乱に伴うインフレ懸念や、世界的な長期金利上昇について意見が交わされた。最新のAIを悪用したサイバー攻撃についても、来月の首脳会議までに対応策をまとめることで一致した。

為替については、日本側から必要に応じていつでも適切に対応するとの発言があった。円安進行と輸入物価上昇への警戒が続いている。

欧州航空の燃料不足リスクは低下

ヨーロッパの格安航空大手ライアンエアーは、今年夏に運航停止を余儀なくされるような燃料不足のリスクがほぼゼロまで低下したと明らかにした。ホルムズ海峡の閉鎖に伴う原油輸送の代替ルートなど、供給体制を確保したという。

ただ、戦闘が長引けば航空需要の減退とコスト上昇が収益を圧迫する可能性があるとしている。

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米中関係・中国経済

米中首脳会談、対立回避では一致も認識差は残る

先週行われた米中首脳会談については、対立の回避という観点では一致したものの、中国の覇権争いをめぐる動きは続くとの見方がある。アメリカ側は中国市場へのアクセス拡大や、中国企業によるアメリカへの投資拡大など、経済的な協力強化を重視していたとみられる。

中国側については、アメリカ産の原油や天然ガス、農産品の輸入拡大、航空機購入などで合意したとされる一方、すべての合意事項が暫定合意とされており、双方の認識の齟齬は避けにくいとの指摘がある。短期的な成果を求めるアメリカと、時間的余裕を持つ中国との温度差が浮き彫りになった形だ。

台湾・半導体・イラン問題で不透明感

台湾問題については、アメリカ側の発表で触れられていない一方、中国側は非公式会談の場で釘を刺すような動きがあったとしている。アメリカの戦略的曖昧さや台湾への武器売却をめぐる問題については、日本にとっても警戒材料になり得る。

半導体やAIについては、市場に打開期待があったものの、半導体市場は議題にならなかったとされる。中国が技術の自立を進める中、この分野の対立がすぐに解ける状況にはないことが改めて示されたとみられる。

イラン問題では、中国がイラン産原油の輸出を大きく引き受け、原油輸入の多くを中東に依存していることから、中東情勢の緊迫化による供給面の影響を受けているとの見方がある。ホルムズ海峡の航行の自由は中国にとっても重要な課題だが、中国が事態沈静化に積極的に動く可能性は低いとの見方も示された。

中国小売売上高は0.2%増、3年4カ月ぶり低水準

中国国家統計局が発表した4月の小売売上高は、前年同月比0.2%増にとどまった。新型コロナウイルス禍で消費が落ち込んだ2022年12月以来、3年4カ月ぶりの低水準となった。中東情勢悪化に伴う原油高による物価上昇の影響とみられる。

品目別では自動車類が15.3%減と、3月に続いて大幅なマイナスとなった。4月の鉱工業生産は前年同月比4.1%増だったが、伸びは3月の5.7%から鈍化した。不動産不況の長期化や若年層を中心とした雇用不安が、家計の消費意欲を抑えているとの指摘がある。

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米国企業決算・AI関連

NVIDIA決算

20日に発表予定

市場予想

売上高は前年から77%増前後

設備投資計画

ハイパースケーラー4社合計で7,000億ドル以上

NVIDIA決算は20日、売上成長と財務指標に注目

今週20日に予定されるNVIDIAの決算は、AIブームの持続性を占う材料として注目されている。2月から4月期の市場予想では、売上高が前年から77%増前後となる力強い成長が見込まれており、株価も市場全体を上回る推移となっている。

ただし、売上成長だけでなく財務の健全性を示す指標にも注意が必要との見方がある。NVIDIAはオープンAIやコアウィーブなどの顧客企業に出資し、それらの企業がNVIDIA製品を購入してデータセンターを建設するエコシステムを構築している。関係先への投資拡大が続くことで、手元現金比率の低下や財務圧迫懸念が生じる可能性がある。

在庫増加と売掛金拡大がリスク指標に

NVIDIAの在庫額は前期末時点で前年同期比で倍増している。常に売り切れ状態を強調するファンCEOのコメントとは整合的ではない在庫水準の動向は、今後を展望する上で重要な指標とされる。

在庫が増える過程で、未回収の売上である売掛金は前期末時点で売上の6割近い水準に拡大した。製品代金を請求してから現金として回収されるまでの期間も長期化傾向が見られ、現金比率低下の要因や資金繰り悪化リスクの兆候とみなされる可能性がある。

ハイパースケーラー4社の投資負担にも警戒

Microsoft、アルファベット、Amazon、Metaのハイパースケーラー4社は、AI関連の設備投資を拡大している。先月末の決算発表時には設備投資計画が増額され、4社合計で今年は総額7,000億ドル以上となる見込みとされた。

データセンター投資は、GPU搭載サーバーやネットワーク機器などを5年から6年にわたって減価償却するため、純利益への影響は当該年度分に限られる。一方、キャッシュフローは現金の出入りを直接反映するため、投資が拡大するほど純利益との乖離が広がる。ハイパースケーラー4社では純利益が大きく伸びる一方、利益の質は劣化傾向にあるとの見方がある。

また、データセンター建設では一部資材の調達難や地域からの反対機運もあり、今年度完工予定の計画で実際に着工しているのは3月時点で全体の4割弱、2027年完工予定でも3割程度とされる。設備投資計画の拡大、NVIDIAの在庫増加、データセンター建設の遅れは、それぞれ整合的ではない事象として注視されている。

ネクステラがドミニオン買収、AI電力需要が再編促す

アメリカの電力大手ネクステラエナジーは18日、同業のドミニオンエナジーをおよそ668億ドル、10兆円で買収すると発表した。時価総額ベースで世界最大の電力会社となる見込みだ。

AIの普及でデータセンターの電力需要が急速に高まる中、大手同士の合併を通じて建設や資金調達でのコスト削減を目指す。成立すれば、データセンターが集積するフロリダ州からバージニア州までを網羅する巨大な電力会社が誕生する。大量の電力を消費するAIデータセンター建設ラッシュにより、10年後のピーク時の電力需要は1.8億世帯分に相当する224ギガワット増加するとの予想もある。

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日本株・国内市場

日経平均

60,815円
593円安

新発10年物国債利回り

一時2.8%

日経平均の想定レンジ

61,000円から61,300円

東京市場は債券・株式・円のトリプル安

18日の東京市場では、債券、株式、円がそろって売られるトリプル安となった。東京債券市場では、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが一時2.8%に上昇した。これは1997年5月以来、29年ぶりの高い水準である。

原油高に伴うインフレ加速への警戒感や、高市総理が補正予算案編成の検討を指示したことなどから債券に売りが広がった。長期金利の急激な上昇を受け、割高感が意識されたハイテク株にも売りが出た。日経平均株価は先週金曜日比593円安の60,815円で取引を終え、東京外国為替市場では円相場が一時1ドル159円台まで下落した。

今日の日経平均先物は61,000円から61,300円が想定レンジ

シカゴの日経平均先物は61,545円、大阪取引所の夜間取引は61,410円とされた。今日の日経平均の予想レンジは61,000円から61,300円で、ここ数日の下落に対する自律反発は見込まれるものの、国内外の金利上昇が重しとなり、上値は限られるとの見方がある。

26年度会社計画では、ホルムズ海峡の影響が大きい海運、空運、電気・ガスといった業種は低調とされた。一方、製造業ではAI銘柄の多い電気機器、非製造業では銀行業が全体業績を押し上げる形となっている。AI銘柄については上昇余地が残る一方、6月ごろから上昇ペースが鈍化する可能性があるとの見方もある。

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日本経済・日銀関連

1〜3月期GDPは年率2.1%成長、日銀判断にも影響か

19日午前8時50分に公表された日本の2026年1〜3月期実質GDP速報値は、個人消費の底堅さや輸出増加を背景に、前期比0.5%増、年率2.1%増となった。市場予想の年率1.7%増を上回り、前の期の0.8%増から加速した。

二四半期連続のプラス成長となり、物価上昇下でも景気の持ち直しが続くとの見方が強まり、6月の日銀金融政策決定会合では物価と景気のバランスを踏まえた判断が重視される可能性がある。4月会合では政策金利を0.75%程度で据え置いたが、決定票数は賛成6、反対3となり、前回3月の反対1票から増加した。反対した委員は、物価上振れリスクを理由に1%への利上げを主張していた。

第三次産業活動指数も景気判断の材料に

19日午後1時半には、3月の日本の第三次産業活動指数が発表される。小売、サービス、金融など非製造業の活動状況を総合的に数値化したもので、日本のGDPの約7割を占める第三次産業の動きを捉える指標とされる。

GDPは四半期ごとの発表であるのに対し、この指数は毎月公表されるため、景気の変化を早く把握する材料になり得る。日銀の金融政策や政府の月例経済報告など、景気判断の先取り材料として注目されている。

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国内政治・企業・サービス

高市総理、補正予算案編成の検討を指示

エネルギー価格高騰の長期化に備え、高市総理は今年度の補正予算案の編成を検討するよう政府内に指示した。政府与党連絡会議では、万全の備えを取るために補正予算案の編成も含めて検討するよう、財務大臣らに指示したと説明した。

電気・ガス代対策としては、7月から9月の料金が去年夏の水準を下回る支援策をまとめるよう与党側に指示した。ガソリンの小売価格を全国平均で170円程度に抑える現在の支援策については、170円を全く見直さず延々と続けるのは無理があるとして、見直す必要があるとの認識も示された。

みずほFG、楽天銀行への出資を検討

みずほフィナンシャルグループは、楽天銀行への出資を検討していると発表した。みずほが現在出資している楽天カードと楽天証券は、楽天グループの金融事業再編により、10月にも楽天銀行の傘下に集約される方針とされる。

金利上昇によって預金獲得競争が激しくなる中、みずほとしては大手ネット銀行との連携を強め、新たな顧客獲得につなげる狙いがあるとみられている。

アナザーボール、3メガバンクなどから25億円調達

Vtuber向けアバター作成アプリを手がけるスタートアップのアナザーボールは18日、商工中金と三菱UFJ銀行など3メガバンクから合計25億円を調達したと発表した。アプリは2022年創業の同社が開発し、昨年4月のサービス開始以来、ダウンロード数はおよそ100万に達し、その半数を海外ユーザーが占めているという。

Vtuber市場は2032年までに2023年比18倍の18兆円余りに成長するとの予測もある。政府はアニメやゲームなどのコンテンツ産業を基幹産業と位置づけ、海外売上高を2033年までに現在の3倍以上となる20兆円に引き上げる目標を掲げている。アナザーボールは、海外展開とプラットフォームづくりを進める考えだ。

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今日の主な予定

国内外の注目イベント

国内では、2026年1〜3月期のGDP速報値が発表された。午後1時半には3月の第三次産業活動指数も発表される予定で、景気判断や日銀の政策観測に影響する可能性がある。

高市総理は韓国を訪問し、李在明大統領との日韓首脳会談を行う。アメリカではグーグルの年次開発者会議が開かれる。今週20日にはNVIDIAの決算発表も控えており、AI関連株とデータセンター投資の持続性を見極める材料となる。

米金利 FRB NY株 ドル円 中東情勢 NVIDIA AI投資 日本株 日銀 中国経済
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この記事を書いた人

CFP®/1級ファイナンシャルプランニング技能士
公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定
・プライマリー・プライベートバンカー
・資産形成コンサルタント
一般社団法人金融財政事情研究会認定
・NISA取引アドバイザー

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