【市場全体の概要】
13日の東京株式市場は、地政学リスクの高まりを背景に投資家心理が冷え込み、日経平均株価が大きく下落した。きっかけは、イスラエルがイランの核関連施設を攻撃したとの報道で、リスク回避の動きが強まったことだ。この報道を受け、短期筋を中心とした先物売りが加速。さらに、トランプ米大統領が自動車関税引き上げの可能性に言及したことも相まって、市場は一時大幅安となった。
下げ幅は一時600円を超えたが、午後には円相場がやや落ち着いたこともあり、終値ではやや持ち直した。それでも、日経平均は前日比338円安と、続落となった。
【日経平均株価】

日経平均は3万7834円25銭で取引を終え、前日比で338円84銭安(-0.89%)となった。前場には一時600円を超える急落となったが、午後にかけては円安方向への小幅反転が進んだことで下げ幅がやや縮小した。ここ最近は米中の貿易交渉期待を背景に高値圏を維持していたが、過度な楽観が中東不安によって一気に巻き戻された格好だ。
【TOPIX(東証株価指数)】

東証株価指数(TOPIX)も続落し、26.50ポイント安の2756.47で取引を終えた。全体の約8割にあたる1300超の銘柄が値下がりするなど、広範な売りが見られた。JPXプライム150指数も12.72ポイント安と下げ、マーケット全体に慎重な姿勢が広がっている様子がうかがえる。
【為替市場(ドル円)】

為替市場では、安全通貨とされる円が買われ、円高・ドル安が進行。東京時間には一時1ドル=142円台後半まで円高が進んだ。これは、イスラエル・イラン間の軍事的緊張のほか、米国の経済指標が利下げ観測を強めたことによる米金利低下が背景にある。ただし午後には円がやや売られる場面もあり、株式市場ではこの円の反転が下支え材料として作用した。
【日本国債市場】

国内債券市場では、安全資産需要の高まりから債券に買いが集まり、長期金利が低下。新発10年物国債の利回りは1.400%と、前日比で0.045ポイントの低下となった。一時は1.385%と5月中旬以来の低水準を付ける場面もあった。超長期債も買われ、20年債・30年債の利回りはいずれも0.045ポイント低下した。債券先物も上昇し、相場全体に「逃避の動き」が色濃く出た一日となった。
【主な個別株動向】
地政学リスクや円高に加えて、関税問題も重なり、多くの主力株が売られた。とりわけ、東京エレクトロンや信越化学、ディスコといった半導体関連株に加え、ファーストリテイリングやリクルート、TDKなど値がさ株の下落が目立った。トヨタ、SUBARU、マツダといった自動車株も、トランプ氏の発言が重荷となり、売りが優勢だった。
一方で、アドバンテストやソフトバンクグループ、三菱重工業などは堅調に推移。ゲーム関連のバンダイナムコHDやネクソンも買われた。また、原油高を受けてINPEXやENEOSといったエネルギー株には買いが集まり、一部ではリスク回避の中でも堅調な動きが見られた。
【FPTRENDY内部リンク】
【外部関連リンク】
- 日本銀行(BOJ)公式サイト ─ 国内金利や政策決定の確認に。
- 米連邦準備制度理事会(FRB)公式サイト ─ FOMCや声明内容はこちら。
- Bloomberg(ブルームバーグ日本版) ─ 世界の金融・経済ニュースを網羅。
- Reuters(ロイター日本語版) ─ 最新のマーケット速報と経済記事。
- TradingView ─ 株価・為替・指数チャートの可視化に便利。