2025年6月10日米国市場動向(ダウ平均株価、S&P500、ナスダック総合指数、米国国債10年物利回りなど)

2025年6月10日の米国市場は、ダウ平均株価が半導体やハイテク株の買いを受けて反発し、3月上旬以来の高値を付けるなど堅調に推移しました。S&P500やナスダック総合指数もともに2月以来の高値を更新し、投資家の期待感が続いています。一方で、米中閣僚級協議の結果を見極めたいとの慎重なムードも強く、利益確定売りが散見されるなど上値の重さも感じられました。

債券市場では、世界銀行の世界経済成長率の下方修正を受けて安全資産とされる米国債に買いが入りつつも、貿易協議の進展観測から債券売りも出て方向感を欠く展開となりました。長期金利は前日と変わらず4.47%で横ばいとなっています。

為替市場では、米中協議の進展期待や日銀の金融引き締め慎重観測を背景に円相場は反落し、1ドル=144円台後半で取引を終えました。ただ、5月の米消費者物価指数発表を控えていることから、一方的な動きは抑えられています。

総じて、主要株価指数は高値圏での推移が続くものの、今後の物価指標の発表を控え慎重な様子見ムードも漂う複雑な相場環境となっています。

【ダウ平均株価】

10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比105ドル11セント(0.24%)高の4万2866ドル87セントで3月上旬以来の高値で取引を終えた。半導体やハイテク株の買いが支えとなった。ただし、米中閣僚級協議の結果を見極めたい投資家心理も強く、利益確定売りも出やすく上値は重かった。構成銘柄ではナイキ、ウォルト・ディズニー、メルク、シェブロンが買われた一方、マクドナルドやセールスフォース、トラベラーズ、シスコシステムズは売られた。


【S&P500】

多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は前日比32.93ポイント(0.54%)高の6038.81で、2月20日以来の高値を付けた。上昇基調が続き、投資家の期待を支えている。


【ナスダック総合指数】

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比123.752ポイント(0.63%)高の1万9714.989で、連日で2月20日以来の高値となった。半導体株やメタプラットフォームズなどの買いが目立った。


【米国債10年物利回り】

ニューヨーク債券市場では10年物国債利回りは前日と同じ4.47%で横ばい。世界銀行による世界経済成長率見通しの下方修正で米国債が安全資産として買われた一方、米中貿易協議進展の観測から債券売りも出た。米国の5月消費者物価指数発表を控え様子見の展開となった。


【NY円相場】

ニューヨーク外国為替市場の円相場は反落し、前日比30銭の円安ドル高となり、1ドル=144円85〜95銭で取引を終えた。米中貿易協議の進展観測により世界経済の減速懸念が和らぎ、低リスク通貨とされる円に売りが出た。日銀の金融引き締め慎重観測も円安圧力となった。ただし、5月の米消費者物価指数発表を控えたため一方的な動きは抑えられた。円は145円03銭を下値とし144円44銭まで上昇した。

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この記事を書いた人

CFP®/1級ファイナンシャルプランニング技能士
公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定
・プライマリー・プライベートバンカー
・資産形成コンサルタント
一般社団法人金融財政事情研究会認定
・NISA取引アドバイザー

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