任天堂、スイッチ2発売──新GPU搭載で高性能ゲームも可能に|転売対策も徹底

ニンテンドースイッチ2が8年ぶりに登場、転売対策を強化

任天堂は6月5日、8年ぶりとなる新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ2」を発売しました。国内専用版の価格は4万9980円。新機種発売に合わせて、同社はかつてない規模で転売対策に取り組んでいます。

公式通販サイトでは事前の抽選販売を実施。応募条件には「スイッチのソフトで累計50時間以上プレイ」「有料会員歴1年以上」など、実際にゲームを楽しんでいるユーザーが優先的に購入できるよう工夫が凝らされました。さらに、フリマサイトへの不正出品を抑えるため、運営会社と連携した取り締まりも進められています。

家電量販店でも、過去の購入履歴や会員登録を条件にした抽選販売が一般的となり、従来の“先着順争奪戦”の混乱を避ける仕組みが導入されています。都内店舗では当選者が列をなして受け取る光景が見られ、購入者からは「家族と遊びたい」「抽選制には賛成」といった声が聞かれました。

任天堂は2026年3月期末までに、国内外で累計1500万台の販売を目指す計画です。


NVIDIAと築いた「技術の奇跡」 AI時代のハードウェア革新

ニンテンドースイッチ2の最大の特徴は、米NVIDIA(エヌビディア)製の新世代GPU(画像処理半導体)が搭載された点にあります。NVIDIAのジェンスン・ファンCEOは「このチップは技術の奇跡」と称し、AIを活用したDLSS(ディープラーニング・スーパーサンプリング)技術により、据え置き型ゲーム機やPCでしか遊べなかった高性能ソフトも携帯機で動作する革新が実現しました。

これにより「ストリートファイター6」や「エルデンリング」「サイバーパンク2077」といった大作ソフトもスイッチ2でプレイ可能となります。ソフトメーカー各社も高性能化に大きな期待を寄せており、今後は任天堂の自社タイトルだけでなく、他社開発ソフトによる収益分散や新規ファンの拡大も注目されています。

NVIDIAのファンCEOは、初代スイッチの開発を指揮した故・岩田聡元社長の「映画のような大作をどこでも遊べる携帯ゲーム機を」という夢がAI時代の技術でいよいよ現実になったと強調。今回のスイッチ2は単なる新ハードではなく、岩田氏のビジョンを体現する「新章の始まり」だと述べました。


後継機ジンクスを打破できるか

任天堂はこれまで、ニンテンドーDSやWiiの後継機である3DSやWiiUでは販売不振を経験し、株価下落や業績悪化を招いた過去があります。背景には、スペック向上だけではユーザーやソフト会社の支持を得にくいという「後継機ジンクス」がありました。

今回は、NVIDIAとの連携によるハードウェア面の飛躍に加え、他社ソフトの積極的な受け入れによるリスク分散も視野に入れています。専門家からも「ヒット作を継続的に生み出す体制が鍵になる」との指摘があり、任天堂の今後の事業展開が注目されています。


【チャート解説】任天堂株の年初来推移

2025年の年初から任天堂株は堅調に推移し、一時は12,500円台まで上昇しました。しかし、直近ではスイッチ2発売を控えて材料出尽くし感も出ており、6月5日の終値は11,850円と前日比240円安(-1.99%)となっています。過去にも新型機の発売前後は期待感で買われたあと利益確定売りが出やすい傾向があり、今後は実際の販売動向やソフトの拡充が株価の新たなドライバーとなりそうです。

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この記事を書いた人

CFP®/1級ファイナンシャルプランニング技能士
公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定
・プライマリー・プライベートバンカー
・資産形成コンサルタント
一般社団法人金融財政事情研究会認定
・NISA取引アドバイザー

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