2025年5月29日に発表されたアメリカの主要経済指標「実質GDP(改定値)」と「中古住宅販売成約指数(4月)」

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アメリカ・実質GDP(改定値)第1四半期 – 発表日:2025年5月29日 21:30

実質GDP・前期比年率

  • 予想:-0.3%
  • 結果:-0.2%
  • 前回:2.3%

個人消費・前期比年率

  • 予想:1.8%
  • 結果:1.2%
  • 前回:4.2%

GDPデフレーター・前期比年率

  • 予想:3.7%
  • 結果:3.7%
  • 前回:2.4%

コアPCE価格指数・前期比年率

  • 予想:3.5%
  • 結果:3.4%
  • 前回:2.7%

指標結果の概要と前回値との比較

アメリカ合衆国商務省経済分析局(BEA)が発表した2025年第1四半期の実質GDP改定値は、年率換算で**-0.2%**となり、前回の-0.3%から若干の改善が見られました。市場予想の-0.3%を下回る結果となり、前期の+2.4%からの大幅な減速を示しています。

指標解説

実質GDPは、国内総生産の物価変動を除いた実質的な成長率を示す指標で、景気の全体的な動向を把握する上で重要です。今回のマイナス成長は、以下の要因によるものです:

  • 輸入の急増:企業が関税引き上げ前に輸入を急増させたことが、貿易赤字を拡大させ、GDPを押し下げました。
  • 消費支出の鈍化:消費者支出の伸びが1.2%にとどまり、過去3年間で最も低い水準となりました。
  • 企業利益の減少:企業の利益が11.3%減少し、2020年末以来の大幅な落ち込みとなりました。

一方で、以下の要因が部分的にプラスに寄与しました:

  • 設備投資の増加:企業の設備投資が24.4%増加し、成長を支えました。
  • 在庫投資の増加:在庫の積み増しがGDPにプラスの影響を与えました。

市場の反応と今後の見通し

この結果を受けて、為替市場ではドルがやや下落し、米国債の利回りが低下しました。株式市場では、景気減速懸念から一時的な調整が見られました。今後の見通しについては、FRBの金融政策や貿易政策の動向が重要な焦点となります。


アメリカ・中古住宅販売成約指数(4月) – 発表日:2025年5月29日 23:00

前月比

  • 予想:-1.1%
  • 結果:-6.3%
  • 前回:6.1%
  • 前回改定値:5.5%

前年比

  • 予想:2.7%
  • 結果:-3.5%
  • 前回:-0.1%
  • 前回改定値:-0.7%

指標結果の概要と前回値との比較

全米不動産業者協会(NAR)が発表した2025年4月の中古住宅販売成約指数(Pending Home Sales Index)は、前月比で**-6.3%の大幅な減少となり、前年同月比でも-2.5%の減少が見られました。特に西部地域では、前月比で-8.9%**の大幅な落ち込みがありました。

指標解説

中古住宅販売成約指数は、既存住宅の契約締結件数を基にした先行指標で、住宅市場の動向を予測する上で重要です。今回の減少は、以下の要因によるものと考えられます:

  • 住宅ローン金利の上昇:30年固定金利が平均6.89%に上昇し、住宅購入の負担が増加しました。
  • 売り手市場の継続:売り手の数が買い手を上回る状況が続き、取引が停滞しました。

NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は、「住宅市場の回復には、住宅ローン金利の低下が不可欠である」と述べています。

市場の反応と今後の見通し

住宅市場の冷え込みを受けて、住宅関連銘柄の株価が軟調に推移しました。今後の回復には、金利の安定化や政策の支援が必要とされています。


これらの指標は、アメリカ経済の現状を反映しており、特に消費者行動や投資活動、貿易政策の影響が顕著に表れています。今後の経済動向を注視する必要があります。

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この記事を書いた人

CFP®/1級ファイナンシャルプランニング技能士
公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定
・プライマリー・プライベートバンカー
・資産形成コンサルタント
一般社団法人金融財政事情研究会認定
・NISA取引アドバイザー

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