国交省が初めて解析|東京都心中古マンションにおける外国人投資の実態解明へ

東京都心の中古マンション価格が最高値を更新中

東京都心の中古マンション価格が連続で過去最高値を更新し、特に都心6区では70㎡あたり1億6000万円超の水準に達しています。築浅の高級物件を中心に売り手の売り時意識が高まり、アジアや欧米の富裕層による投資マネーが市場を押し上げていると見られています。

国土交通省が初めて外国人購入者の実態調査を開始

これまで外国人投資の実態を示す公的データはなく、議論は断片的でした。そこで国土交通省は法務省から提供される約11万件のマンション登記情報を分析し、外国人購入の実態と地域差を明らかにする調査を2025年度下半期に報告予定です。購入者の住所欄から居住地を推計し、地域別・築年数別に外国人投資の動向を把握します。

外国人投資の影響と現状の課題

外国人富裕層の投資が都心の高級物件相場を大きく押し上げていますが、国籍や購入比率を示す公式統計がなく、詳細な実態が把握できていません。これにより、住宅政策や市場規制の根拠となるデータが不足している状況です。

調査の方法と分析内容

調査では、住所欄の海外表記や外国人向け賃貸物件の問い合わせ先をもとに、外国人購入と推計。都内23区を中心に築年数や物件種別ごとに分析し、過去数年のデータを比較して購入者動向の変化を明らかにします。結果はヒートマップや保有期間分析も含めて報告され、投資の特徴を多角的に把握できるようになります。

調査スケジュールと報告予定

2025年5月下旬からデータ処理を始め、6月から集計分析を進めます。9月にドラフト版を関係者に共有し、10月以降に正式報告書を公開。報告書は国土交通省ウェブサイトでPDF公開され、記者説明会も予定。今後は四半期ごとの継続調査も検討されています。

デベロッパー調査から見る外国人購入の実態

三菱UFJ信託銀行の調査では、東京23区の新築マンションで外国人購入比率は20~40%台と推計されています。特に港区や中央区の湾岸エリアでは40%以上と高い地域もあり、エリアや物件による差異が大きいことが示されています。

政策的意義と今後の課題

調査結果により、外国人投資が集中する地域への取得規制や保有期間ルールの見直しが可能になります。また、実需者が住宅を取得しやすい市場環境の整備や中古住宅流通の活性化策にも活かされます。短期投機取引の抑制と健全な住宅市場形成に向けた政策設計の基盤となることが期待されます。

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この記事を書いた人

CFP®/1級ファイナンシャルプランニング技能士
公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定
・プライマリー・プライベートバンカー
・資産形成コンサルタント
一般社団法人金融財政事情研究会認定
・NISA取引アドバイザー

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