5月20日の米国株式市場は、株高の一服感と長期金利の上昇を背景に、主要3指数すべてが反落となりました。利益確定売りの動きが強まり、前日までの上昇の反動が出やすい一日となりました。
ダウ平均株価

ダウ工業株30種平均は、前日比114.83ドル(0.26%)安の42,677.24ドルで取引を終え、4営業日ぶりに反落しました。前日には3月上旬以来の高値を付けていたことから、一転して主力株に利益確定の売りが広がったほか、米長期金利の上昇が株式の相対的な割高感を意識させる格好となりました。個別ではアップルやアマゾン・ドット・コム、エヌビディアなどハイテク株が売られ、アメリカン・エキスプレスやキャタピラーも軟調でした。一方、ユナイテッドヘルス・グループやボーイングは高値を保ちました。
S&P500

S&P500種株価指数は前日比7営業日続伸の勢いが一服し、約0.3%下落して取引を終えました。2月下旬以来の高値を更新後の調整売りが中心で、とくに4月の安値から急回復したハイテク株セクターに売り圧力がかかりました。米中関税交渉の進展期待などを背景に買いが入っていた反動であり、市場には足元の上昇ペースに対する慎重姿勢が見られました。
ナスダック総合指数

ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は、前日比72.749ポイント(0.37%)安の19,142.714ポイントで引け、3営業日ぶりに反落しました。アルファベットやメタプラットフォームズなど大型株に利益確定売りが強まり、前日に付けた年初来高値からの調整局面に入りました。
長期金利

米国債券市場では、10年物をはじめとする長期金利が4.50%前後まで上昇しました。前日終値の4.45%を上回る推移となり、市場では「財政赤字拡大への懸念から金利先高観が強まっている」との指摘が聞かれています。この金利上昇が株式市場の重荷となり、買い手の慎重姿勢を助長しました。
全体として、20日の米国株市場は直近の上昇局面からの利益確定売りと金利上昇が重なり、一息つく展開となりました。今後は米国内の財政動向や減税法案の行方、長期金利の動きが投資家心理に大きく影響しそうです。
【主な個別株の値動き】
- アップル(AAPL):前日比-1.2%安。最新決算を受け、利益確定売りが先行。
- アマゾン(AMZN):前日比-0.8%安。クラウド事業の見通しに対する不透明感。
- エヌビディア(NVDA):前日比-0.5%安。半導体需要鈍化を懸念。
- ユナイテッドヘルス(UNH):前日比+0.7%高。好業績を背景に堅調。
- ボーイング(BA):前日比+0.4%高。航空機受注の増加期待。
関連リンク:
- 日本銀行(BOJ)公式サイト ─ 国内金利や政策決定の確認に。
- 米連邦準備制度理事会(FRB)公式サイト ─ FOMCや声明内容はこちら。
- Bloomberg(ブルームバーグ日本版) ─ 世界の金融・経済ニュースを網羅。
- Reuters(ロイター日本語版) ─ 最新のマーケット速報と経済記事。
- TradingView ─ 株価・為替・指数チャートの可視化に便利。