リコースローンとノンリコースローンの違いとは?投資家が知っておくべき基本と選び方【2025年5月更新】
不動産投資や事業資金の調達において、融資の仕組みはリスク管理の鍵を握ります。
中でも「リコースローン」と「ノンリコースローン」は、借り手の返済責任の範囲を大きく左右する重要な概念です。
この記事では、両者の違いやメリット・デメリットをわかりやすく解説し、どんな場面でどちらを選ぶべきかを整理します。
リコースローンとは?|債務の全額返済を借り手が負担するローン
リコースローンは、万が一借入金の返済が滞った場合に、担保不動産を売却しても足りなかった分を借り手が負担するタイプのローンです。
つまり、借り手は担保を超えた責任を負うことになります。
【具体例】
Aさんが1億円をリコースローンで借入。
返済が滞り、担保の不動産を売却したが8,000万円しか回収できなかった場合、
残りの2,000万円はAさんが別途支払う義務があります。
ノンリコースローンとは?|担保物件で返済完結、差額返済の責任なし
ノンリコースローンは、返済責任が担保不動産の範囲内に限定されるローンです。
担保物件の売却で債務が全額返済できなくても、借り手は差額を支払う義務がありません。
【具体例】
Bさんが1億円をノンリコースローンで借入。
返済が滞り、担保の不動産が8,000万円で売却された場合、
残りの2,000万円については返済義務なし。この時点でローンは完済扱いとなります。
リコースローンとノンリコースローンの比較表
リコースローン:広い(差額返済義務あり)
ノンリコースローン:限定的(担保物件まで)
リコースローン:不足分も請求される
ノンリコースローン:担保の処分で終了
リコースローン:高い(全資産に影響)
ノンリコースローン:低い(他資産に波及しない)
リコースローン:比較的低め
ノンリコースローン:高めになりやすい
ノンリコースローンのメリット
✅ 1. 返済リスクの軽減
担保物件の売却で完済とみなされるため、万が一でも借り手の他資産に影響が及ばないという大きな安心感があります。
✅ 2. 他の資産への影響がない
仮に返済不能となっても、借り手の他の事業や個人資産は守られるため、リスクを限定した投資が可能です。
ノンリコースローンのデメリット
⚠️ 1. 審査基準が厳しい
金融機関にとってリスクが高いため、不動産の収益性や借り手の信用力が厳しくチェックされます。
⚠️ 2. 金利が高い/返済期間が短い
リスクヘッジのために金利が高めに設定されたり、短期間での返済を求められる傾向があります。
⚠️ 3. 取り扱い金融機関が少ない
大手銀行など一部の金融機関に限られており、選択肢が狭まる場合もあります。
まとめ|どちらのローンが向いている?
リスクを最小限に抑えて不動産投資を行いたいなら、ノンリコースローンは有力な選択肢です。
一方で、低金利や審査の柔軟さを重視する場合には、リコースローンの方が適していることもあります。
どちらを選ぶべきかは、自分の投資スタイルやリスク許容度、資産状況に応じて判断することが重要です。
🔁 編集者メモ
※本記事は2025年5月に最新の情報を加えて再編集しました。