目次
1. CPI結果と市場の注目点
7月の米CPIは以下の通り。
- 総合CPI(前年比):+2.7%(予想2.8%)
- コアCPI(前年比):+3.1%(予想3.0%)
インフレ鈍化が示され、金利低下期待が意識された。市場の反応は為替と株式で対照的だった。
2. 為替市場(ドル円)
ドル円は発表直後に急落。
- 発表直前:148.55円
- 発表直後の安値(5分足内):147.43円(▲1.12円、▲112pips)
- 発表30分後:147.88円(▲67pips)
- 発表60分後:148.35円(▲20pips、ほぼ戻す)
解説:アルゴリズム取引による初動の売りが強烈で、一時1円以上のドル安円高。ただし、その後は買い戻しが入り、1時間後にはほぼ発表前水準に戻った。

📊 図1:FPTRENDY.com
(図1. 米CPI発表前後のドル円推移・5分足)
3. 株式市場(S&P500先物)
S&P500先物(ES1!)は反対に急騰。
- 発表直前:6,410
- 発表直後5分の高値:6,465(+55pt、+0.9%)
- 発表30分後:6,450(+40pt)
- 発表60分後:6,455(+45pt)
解説:CPI鈍化を受けて「利下げ期待」が一気に意識され、株先物は買い優勢。発表後1時間を経ても高値圏を維持した。

📊 図2:FPTRENDY.com
(図2. 米CPI発表前後のS&P500先物推移・5分足)
4. ドル円とS&P500の比較
両者を「発表直前終値=100」として指数化すると、動きは鮮明に対照的となった。
- ドル円:一時 ▲0.8% 下落、その後戻す
- S&P500先物:+0.9% 上昇し、その後も高値維持
解説:為替は「インフレ鈍化→ドル売り」に反応しやすく、初動が大きい。一方で株式は「利下げ期待→株高」が素直に反映され、持続性も高かった。

📊 図3:FPTRENDY.com
(図3. 米CPI発表後のドル円とS&P500先物の比較・発表直前を100に指数化)
5. まとめ
今回のCPI発表では、
- ドル円:急落後に戻す一過性の動き
- S&P500先物:急騰後も高値圏維持
という「為替は短期、株は持続」という典型的な反応が確認された。
投資家にとっては、為替は初動の振れが激しい一方で、株式は方向感が持続しやすいという市場特性を再確認できるイベントとなった。
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- 日本銀行(BOJ)公式サイト ─ 国内金利や政策決定の確認に。
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