明日から始まる特別国会、何が起きる?国会の仕組みと注目ポイントを解説-2月18日召集、高市政権下で国会運営が「様変わり」する理由

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2月18日召集、高市政権下で国会運営が「様変わり」する理由

明日2月18日、特別国会が召集される。衆院選での自民党圧勝を受け、高市早苗首相の指名が行われる見通しだ。しかし「特別国会って何?」「通常国会とどう違うの?」――ニュースを見ていても、国会の仕組みが分からず置いてけぼりになった経験はないだろうか。

今回は明日からの特別国会を理解するために、最低限知っておくべき国会の基礎知識と、今回の焦点を整理する。この記事を読めば、明日からのニュースが格段に分かりやすくなるはずだ。


第1章:明日からは「特別国会」――3種類の国会の違い

まず押さえておきたいのは、日本の国会には大きく分けて3種類あるということだ。

通常国会(常会):毎年1回、1月頃に召集される国会。予算審議が中心で、会期は原則150日。日本の政治日程の”本番”であり、重要法案も多く扱われる。

臨時国会(臨時会):必要が生じたときに追加で開かれる国会。補正予算、災害対応、緊急の法改正などが主な目的。会期は案件次第で短め〜中くらい。

特別国会:衆議院議員総選挙の後に召集される国会。最大の目的は首相指名選挙。新しい政治体制を作り直すための”再スタート”の場だ。

今回、明日2月18日に召集されるのは、この特別国会である。実は2026年の通常国会(第220回国会)は1月23日に召集されたが、同日解散で1日で終了している。そのため、選挙後に改めて特別国会を開き、首相指名などを行う必要があるのだ。

衆参は一緒に?別々に?

もう一つ重要なポイントがある。国会には衆議院と参議院があるが、明日の特別国会はどちらで開かれるのか?

答えは**「両方」だ。ただし、衆議院と参議院は別々に審議を進める**。衆議院は衆議院の本会議で、参議院は参議院の本会議で、それぞれ首相指名などの手続きを行う。同じ日に両院が動くが、会議そのものは別々というのが基本形だ。

この「別々だが同じ日に動く」という感覚が、国会報道を理解する上での第一歩になる。


第2章:そもそも国会はどう動く?――「衆参別々」の意味

国会を理解する上で、もう少し基礎を押さえておきたい。日本の国会は二院制であり、衆議院と参議院はそれぞれ独立した議院だ。

法案・予算は「リレー方式」で進む

法案や予算案は、次のように進む。

  1. どちらかの議院に提出される(多くは衆議院から)
  2. その議院の委員会→本会議で可決
  3. もう一方の議院に送付される
  4. もう一方も委員会→本会議で可決
  5. 両方で可決されて初めて「成立」

ここで重要なのは、「衆院通過」と「成立」は全く別物だということだ。ニュースで「衆院を通過しました」と報じられても、それはまだ”半分終わった”段階に過ぎない。参議院での審議を経て、両院で可決されて初めて法律として成立する。

テレビに映るのは「本会議」、実務の主戦場は「委員会」

テレビのニュースで映るのは本会議が多いが、実は法案の条文レベルまで詰めた議論が行われるのは委員会だ。本会議は最後の「採決の場」になりやすい。

委員会での審議→本会議での採決、という流れを理解しておくと、国会報道の”どの段階”なのかが見えてくる。


第3章:明日の特別国会で何が起きるのか

では、明日2月18日の特別国会では具体的に何が起きるのか。

首相指名選挙が最大のイベント

特別国会の中心は首相指名選挙だ。衆議院と参議院がそれぞれの本会議で、誰を首相に指名するかを決める。

もし衆参で異なる人物を指名した場合、最終的には衆議院の指名が優先される。これを「衆議院の優越」と呼ぶ。日本は大統領制ではなく議院内閣制なので、首相は国民の直接選挙ではなく、国会の指名で決まる。この一点を理解するだけでも、特別国会の意味が見えてくる。

明日からの流れ

特別国会召集後の典型的な流れは次の通りだ。

  • 2月18日:特別国会召集、衆参それぞれで首相指名選挙
  • その後数日:組閣(新しい内閣の発足)、所信表明演説、各党代表質問
  • 2月下旬以降:2026年度予算案の審議入り

つまり明日は「新しい政治体制のスタート地点」であり、その後すぐに予算審議という”本番”が待っている。


第4章:今回の特別国会後、国会運営が「様変わり」する理由

ここからが今回の特別国会の最大の注目点だ。衆院選で自民党が圧勝したことで、国会運営が大きく変わろうとしている。

時事通信の報道によれば、自民党は「高市1強」の状況を背景に、少数与党時代に野党に押され気味だった国会運営の主導権を取り戻そうとしている。具体的には次の3つが焦点だ。

焦点①:重要ポストの奪還――委員長配分をめぐる攻防

そもそも「委員長ポスト」とは何か

国会には、衆参それぞれに常任委員会が17ある(予算委員会、外務委員会、財務金融委員会など)。各委員会には委員長が1人ずつ配置されるため、常任委員長だけで17ポストだ。

これに加えて、憲法審査会、情報監視審査会、政治倫理審査会という3つの審査会があり、それぞれに会長が置かれる(最大3ポスト)。

さらに、会期ごとに必要に応じて特別委員会が設置される(災害対策特別委員会、消費者問題特別委員会など)。特別委員会の数は固定ではないため、委員長ポストの総数は会期によって変動する。

つまり、「委員長配分」とは、常任17+審査会3+特別委員会(数は変動)の椅子を、与野党でどう分けるかという争いなのだ。

なぜ委員長ポストが重要なのか

委員長は単なる肩書きではない。議事日程の決定、参考人招致の扱い、質疑時間の運用など、審議の進め方に大きな影響力を持つ。特に予算委員長は、予算審議のペースを左右する”司令塔”だ。

与党がこのポストを握れば、審議を効率的に進めやすくなる。逆に野党が握れば、政権への追及を強めやすくなる。だからこそ、委員長配分は国会運営の主導権を象徴する”権力闘争”なのだ。

今回の攻防

2024年の衆院選敗北後、自民党は予算委員長や憲法審査会長などの重要ポストを野党に譲っていた。しかし今回の圧勝を受けて、これらのポストを**「奪還」**する方針だ。

当初、与党は全ポストの独占を求めたが、野党第1党の中道改革連合が反発。与党側は懲罰委員長と消費者問題特別委員長を譲る案を提示したが、中道側は「安倍政権下でも野党に4ポストは配分していた」と主張し、折り合いはついていない。

注目点:野党に譲るポスト数が「0〜2」で落ち着くのか、過去の慣例に近い「4前後」になるのか。合意で決着するのか、与党が数の力で押し切るのか。後者の場合、野党から「国会軽視」との批判が強まりやすい。

焦点②:予算審議時間の短縮――「何時間」で着地するか

2026年度予算案の審議が、もう一つの焦点だ。高市首相は「年度内成立を諦めない」と強気の姿勢を示している。

しかし、1月の解散で審議入りが遅れたため、年度内成立(4月1日までに成立)は困難との見方が強い。そこで与党側は、衆院予算委員会での審議時間を大幅に短縮することを検討している。

近年の予算委審議は約80時間に積み上がることが多く、少数与党だった昨年は92時間に及んだ。これに対し、政権幹部は2007年度の66時間30分という例を挙げ、大幅短縮は可能だと主張。首相に近い党幹部も「野党は質問時間の大半を予算案に関係のない政権批判に使っている」と歩調を合わせる。

一方、野党側には温度差がある。中道改革連合のベテラン議員は「過去最大規模の予算案に見合う審議時間は必要だ」とけん制。しかし国民民主党の玉木雄一郎代表は「国民生活最優先で判断していきたい」と述べ、政権側への一定の理解を示している。

注目点:審議時間が何時間で着地するか。70〜90時間なら従来に近い形、60時間台なら短縮色が強く野党の反発も強まる。それ以下ならかなり異例だ。

焦点③:年度内成立は可能か――衆院通過の時期が鍵

予算案は、衆議院で可決された後、参議院に送られる。そして衆議院で可決後、参議院が30日以内に議決しない場合、衆議院の議決が国会の議決とされる仕組みがある(憲法第60条、いわゆる「30日ルール」)。

年度内成立を実現するには、衆院通過が遅くとも3月上旬〜中旬に間に合うかが鍵だ。衆院通過が3月後半にずれ込むほど、年度内成立は急速に厳しくなる。

もし年度内成立が無理なら、暫定予算でつなぐ可能性も出てくる。

高市首相の過去の発言との整合性

興味深いのは、高市首相自身が2010年に記したコラムだ。民主党政権時代を振り返り、「与野党の圧倒的な議席数の差から、国会運営も強硬な民主党のペースで進み、多くの課題を残したまま予算審議が終了した」と批判していた。

「数の力」を背景に審議を急げば、過去の発言との整合性を問われる可能性もある。


第5章:ニュースを追うための「3つのチェックポイント」

ここまでの内容を踏まえて、明日から国会ニュースを見るときに注目すべき3つのポイントを整理しよう。

①委員長配分はどう決着するか

  • 予算委員長・憲法審査会長など”要所”を与党が握るか
  • 野党に譲るポスト数は「0〜2」か「4前後」か
  • 合意配分か、与党が数で押し切るか

②予算委の審議時間は何時間で着地するか

  • 近年の目安:80時間前後、多い年は90時間超
  • 政権側の主張:60時間台も可能
  • 実際の着地:70〜90時間なら従来型、60時間台なら短縮色が強い

③衆院通過はいつか(年度内成立の現実性)

  • 年度内成立の鍵は、衆院通過が3月上旬〜中旬に間に合うか
  • 衆院通過が3月後半にずれ込むと、年度内成立は急速に厳しくなる
  • 年度内が無理なら暫定予算の可能性

この3点を意識してニュースを見れば、「今どの段階なのか」「政治的に何が起きているのか」が格段に分かりやすくなる。


第6章:国内外メディアの見方の違い

興味深いのは、同じ特別国会を前にしても、国内メディアと海外メディアでは注目点が大きく異なることだ。

国内メディア:「運営」に注目

国内の報道は、委員長配分、審議時間、年度内成立の可否といった**「国会運営」**に焦点を当てる傾向が強い。つまり、「どう動かすか」「どう時間を使うか」という手続き論が中心だ。

海外メディア:「方向性」に注目

一方、海外メディア(特にフィナンシャル・タイムズ、AP通信、ガーディアンなど)は、高市政権の**「政策の方向性」**に注目している。具体的には次のような論点だ。

  • 防衛・対中姿勢(台湾を含む安全保障政策)
  • 憲法改正への意欲
  • 大型財政・減税政策と国債市場への影響
  • 移民・治安政策

海外メディアは、特別国会そのものより「その後に何を通すか」への関心が強い。高市首相の圧勝を”supermajority(圧倒的多数)”と表現し、それが政策にどう影響するかを分析している。

この視点の違いを知っておくと、多角的に国会を見ることができる。


結び:国会は「制度のゲーム盤」である

国会は単なる「政治家の言い合いの場」ではない。議席数、委員長ポスト、審議時間といった**手続きが結論を左右する「制度のゲーム盤」**だ。

明日から始まる特別国会は、その「ゲーム盤のルール」が書き換わる重要な局面である。高市政権は圧倒的な議席を背景に、国会運営の主導権を取り戻そうとしている。一方で、野党は「数の力」による強行を警戒し、「国会軽視」と批判する構えだ。

最後に、国会ニュースを見るときの最小限のツールを提示したい。次の3点を意識するだけで、ニュースの解像度が一気に上がる。

  • いま衆院段階?参院段階?(法案・予算のリレーのどこか)
  • 案件は予算?条約?首相指名?一般法案?(衆議院の優越が効くかどうか)
  • ねじれか?(衆参の多数派が異なるかどうか)

明日からの特別国会、そしてその後の予算審議。この記事を参考に、ぜひニュースを追ってみてほしい。国会の仕組みが分かれば、政治の風景はまったく違って見えてくるはずだ。


【主な参考資料】

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この記事を書いた人

CFP®/1級ファイナンシャルプランニング技能士
公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定
・プライマリー・プライベートバンカー
・資産形成コンサルタント
一般社団法人金融財政事情研究会認定
・NISA取引アドバイザー

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