2025年6月3日 東京市場動向(日経平均、TOPIX、ドル円、日本国債10年物利回り)

日経平均株価

6月3日の東京市場では、日経平均株価は前日比23円86銭(0.06%)安の37,446円81銭で引け、3日続落となりました。直近のチャートを見ると、5月29日の高値からは下値を切り下げる動きが継続しており、5月末から6月初めにかけては利益確定売りや持ち高調整の動きが優勢になっています。米中協議進展の期待を背景に、朝方には買いが先行しましたが、国内機関投資家による大型株のリバランス売りが重石となり、安値圏でのもみ合いを経て終値では前日安値付近で取引を終えました。今後も米国の金融政策見通しや国内機関投資家のポジション調整の動向が注目されます。

TOPIX

同じく6月3日のTOPIXは前日比6.18ポイント(0.22%)安の2,771.11で3日続落しました。チャートでは5月22日以降、2,730~2,800ポイントのレンジで上下動を続けており、足元では5月29日に一時2,800を超えたものの、その後は下落基調に転じています。日経平均同様、主力大型株の下押しがTOPIX指数全体に波及し、指数は朝高後に失速。大引けでは2,770台前半まで押し戻される展開となりました。大型株を中心としたリバランス売りがTOPIXにも影響を与えており、短期的な上値抵抗ラインとしては5月29日の高値(約2,815ポイント)が意識されます。

ドル円

6月3日のドル/円相場は、前日比3銭円高の1ドル=142円87~89銭で引け、ほぼもみ合いの動きでした。チャート上では5月末から6月初にかけて142.5~145円台のレンジ内で推移しており、特段のトレンドを描いていません。3日朝方は米中貿易摩擦への懸念から一時円買い優勢となり143円台半ばまで上昇しましたが、日銀・植田総裁が「利上げに前向きな姿勢ではない」との見解を示したことで再び円売りが強まり、東証引け時には142円台後半に戻す展開でした。現在は米雇用統計前の静かな地合いが続いており、143円ラインの上下で方向感を探る展開が当面想定されます。

日本国債10年物利回り

6月3日16時時点の業者間取引では、新発10年物国債の利回りが前日比0.025%低い1.480%で取引を終えました。チャートでは5月22日に1.57%台まで上昇後、5月26日に1.51%台まで調整し、その後は1.48~1.52%のレンジでやや上下に振れています。6月3日に実施された国債入札は需給引き締まりを示す良好な結果となり、買いが優勢となったことで利回りは低下。債券価格は上昇圧力を受け、長期金利は下落基調です。引き続き、国内機関投資家の動向や日銀の金融政策観測、米国金利との比較が国内10年物金利に影響を与えるポイントとなります。

日経平均先物(大阪)

大阪取引所の夜間取引において6月物日経平均先物は、前営業日の清算値37,510円に対し、朝方に37,760円まで下落したものの(シカゴ市場では45円安で取引)、日本時間4日早朝の取引では38,220円近辺まで上昇し、最終的に前日比210円高の37,720円で引けました。チャートを見ると、5月29日の高値38,500円台から反落し、5月30日以降は下落トレンドに入りましたが、6月3日の夜間取引ではリスクオンの流れを受けて一転反発する動きがうかがえます。米株高の影響や、日銀総裁発言後の円安傾向を受けて先物買いが入ったとみられ、国内取引への反映が注目されます。現物株の軟調さとは裏腹に先物では買い戻しが入りやすい地合いとなっているため、東京市場の寄り付き水準を占ううえで重要な指標となります。

――以上の動きを踏まえると、6月4日の東京市場では、米国の金融政策見通しや為替・債券相場の動向を確認したうえで、引き続き国内機関投資家のポジション調整が相場に影響を与える可能性が高いと考えられます。

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この記事を書いた人

CFP®/1級ファイナンシャルプランニング技能士
公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定
・プライマリー・プライベートバンカー
・資産形成コンサルタント
一般社団法人金融財政事情研究会認定
・NISA取引アドバイザー