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全銀協日本円TIBOR(たいぼー)とは

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全銀協日本円TIBOR(JBA Japanese Yen TIBOR)は、日本国内の銀行同士が資金を貸し借りする際の参考となる金利の一つです。「TIBOR(たいぼー)」とは「Tokyo Interbank Offered Rate」の略で、日本語では「東京銀行間取引金利」と訳されます。

この金利は、一般社団法人全国銀行協会(全銀協)が、主要な金融機関からの見積もりをもとに毎営業日公表しています。銀行同士が無担保で資金を融通し合う際の金利を想定したもので、実際の取引ではなく「提示金利」である点が特徴です。

TIBORにはかつて2種類ありました。一つは国内の取引に基づく「日本円TIBOR」、もう一つは海外のロンドン市場における日本円建て取引を参照する「ユーロ円TIBOR」です。しかし、国際的な金利指標改革の流れを受け、ユーロ円TIBORは2024年末に廃止され、現在は日本円TIBORのみが継続されています。

TIBORは、企業向けの変動金利型融資や一部のデリバティブ取引において金利の基準として利用されてきましたが、近年では「TONA(とーな)」と呼ばれるリスク・フリー・レートへの移行も進んでいます。TONAは実際の無担保翌日物取引に基づくため、より客観性の高い指標とされています。

それでもなお、TIBORは一定の信用リスクを含む金利として、金融市場における資金調達環境を反映する役割を持ち続けています。政策金利や市場金利との関係を読み解くうえでも、理解しておきたい重要な指標のひとつです。

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