-6/13-日本製鉄株が下落で始動、トランプ政権「黄金株取得」発言に市場が反応

13日午前の東京株式市場で、日本製鉄(5401)の株価は軟調に始まりました。前日のアメリカでの発言が影響したとみられています。以下は午前9時時点の日本製鉄株の値動きです。

市場が注目したのは、トランプ大統領がUSスチールの買収計画について言及した「黄金株」発言でした。日本製鉄による買収計画に対し、米国が経営面で強く関与する意志を明示したことで、投資家心理がやや慎重になったと見られます。


トランプ大統領「黄金株は大統領が管理する」

12日、トランプ大統領はホワイトハウスで記者団に対し、「我々は黄金株を持っており、それは大統領がコントロールする」と述べました。これは、USスチールに対して米政府が拒否権を行使可能な**特別株式(黄金株)**を保有するという考えを示したものです。

「黄金株(ゴールデンシェア)」とは、たとえ保有割合が少なくても、取締役の選任や合併、重要な事業判断などに拒否権を持つことができる特別な株式です。トランプ氏はこの枠組みを用いて、USスチールに対する国家的関与を強める意向を明確にしました。

さらに「アメリカ人が51%の所有権を持つ」とも述べ、経営の実権は米国側が保持するべきとの立場を強調しました。


CFIUS審査は完了、判断期限は目前に

日本製鉄の買収提案は、対米外国投資委員会(CFIUS)の再審査を経て、すでにトランプ大統領に報告済みです。法的手続きの期限は13日、契約の最終期限は18日とされ、近く政権としての最終判断が示される見通しです。


トランプ氏、投資額を「170億ドル」と発言も

5月にペンシルベニア州で行った演説では、日本製鉄による投資額を「140億ドル」と述べていたトランプ氏ですが、12日の発言では「170億ドルに増加する」との見解を示しました。詳細な理由については明らかにされていませんが、買収後の追加投資や雇用対策への期待感を込めた可能性もあります。


日本製鉄は完全子会社化を目指す方針に変わりなし

一方、日本製鉄は当初から完全子会社化による買収の完遂を一貫して目指しており、経営支配権の確保は重要な前提です。米政府による黄金株保有がこの方針とどのように調整されるかが、今後の焦点となります。

市場では、米国側が経営に深く関与する可能性が高まったことに対し、リスク要因として捉える向きもあり、株価は短期的に警戒感を反映する形で下落しました。

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この記事を書いた人

CFP®/1級ファイナンシャルプランニング技能士
公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定
・プライマリー・プライベートバンカー
・資産形成コンサルタント
一般社団法人金融財政事情研究会認定
・NISA取引アドバイザー

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